奈良県川上村の吉野川(紀の川)に建設され、試験貯水中の大滝ダムに面した白屋地区(44世帯)で、住宅壁や道路などに多数の亀裂が見つかっている。 ダム水位の上昇で地層に強い圧力がかかったためとみられる。 事業主体の国土交通省は18日に予定していたダムの完成式典を延期して貯水をストップし、原因究明に乗り出したが、同地区は「地滑りが心配で眠れない」と全戸の移転を求めている。 住民が亀裂に気付いたのは4月20日ごろ。 道路に3センチほどの段差が出来た所もあるという。 国は先月11日に約50%まで進んでいた試験貯水を中断。 専門家らで作る「白屋地区亀裂現象対策検討委」は「亀裂は収束化しており、今すぐに大規模な地滑りが起きることはない」と報告した。 今後はダム湖をほぼ空にし、亀裂と貯水との因果関係について調べる。 地元ではダムの計画段階から地滑りを心配していたといい、副区長の福本正男さん(76)は「旧建設省から『工事で抑止できる』と言われ、同意してきたのに」と話している。 同ダムは1959年の`195915|をきっかけに計画された多目的ダム。 昨年8月、コンクリート打設が完了。 高さ100メートル。 総事業費は約3200億円。 【栗栖健】(毎日新聞)[]