◇秋田で風速41メートル 津軽半島に20日早朝上陸した`15|は、県内に大きなツメ跡を残した。 秋田市で観測した最大瞬間風速41・1メートルは、91年9月の`19|などに次ぎ観測史上3番目。 電線切断などで最大約13万戸が停電し、日常生活に大きな影響を及ぼした。 住宅の屋根や壁が飛ばされ、高潮による住宅浸水も相次いだ。 リンゴ、ナシの落果ほか、水稲の倒伏もあり、過去数年間では最大の台風被害とみられる。 【野口武則、津村豊和、村川幸夫】 ●●農作物 強風による農作物被害が全県で相次いだ。 特に収穫間近だったリンゴ、ナシの落果に農家は肩を落としている。 県農林水産部のまとめでは、リンゴの落果は鹿角、大館、森吉、西目など7市町、ナシは大館、秋田、男鹿など5市町で確認した。 ナシ24ヘクタール、リンゴ60ヘクタールを栽培する大館市中山、曲田地区では、来月初旬に収穫が迫ったナシの主力品種「幸水」などが落果。 1・3ヘクタールを栽培する石垣栄一さん(68)は「全体で1割以上が落ちたのでは。 実と枝などがこすれ傷が付く被害も大きく、減収は避けられない」と表情を暗くした。 秋田市太平八田細田のリンゴ園では「ふじ」など約3万個が落下。 樹齢約50年の木数本が根元からなぎ倒され、被害は数百万円に上るとみられる。 経営者の男性(48)は「これほどの被害は91年の`19|以来。 残ったリンゴで収穫期を乗り切るしかない」と肩を落とした。 このほか、県北を中心にキュウリ、山芋、ホップ、ネギなどが被害を受けた。 また全県で、ビニールハウスの倒壊や損傷があり、被害面積や被害額などは調査中という。 ●●停電 強風による倒木や飛来物で送電線が切れるなどし、沿岸部を中心に広範囲で停電となった。 東北電力秋田支店によると、秋田、本荘の両営業所管内では停電が夜間まで続き、交通信号などにも影響が出た。 県内で10万戸以上の規模で停電したのは、91年9月の`19|で36万4000戸に送電が停止して以来で13年ぶり。 同支店によると、20日未明から秋田市を中心に27市町村で断続的に停電が発生。 午前5時ごろ、秋田市を中心に最大約12万9000戸が停電した。 同社は東北各県などから復旧応援隊約440人を派遣。 午後9時までにほぼ全戸が復旧するとみられる。 ◇鉄道、空、船も混乱 ●●交通機関 交通機関も乱れた。 jr東日本秋田支社によると、架線への倒木による停電などで秋田新幹線こまちの上り2本が全区間運休し、上下11本が最大で約160分遅れた。 在来線は奥羽、羽越、男鹿、五能、花輪の各線で20日始発から運転を見合わせ、特急4本と普通101本が運休。 55本が最大7時間遅れ、約2万400人に影響が出た。 また航空各社によると、秋田空港では名古屋発着の2便が欠航し、関西発着の2便が約1時間遅れた。 大館能代空港でも羽田発着の2便が欠航し、両空港で乗客計約430人の足に影響した。 秋田港経由の新日本海フェリーは新潟発苫小牧行きの入港が高波のため遅れ、秋田港を約12時間遅れで出港した。 ●●強風 秋田市で20日午前3時39分に観測した最大瞬間風速41・1メートルは8月の県内の記録としては最も強く、年間を通しても観測史上3番目となった。 県警警備2課によると、仁賀保町平沢十二ノ前で午前5時40分ごろ、自宅庭の様子を見に出た無職女性(81)が強風にあおられて転倒し、左足を骨折する重傷を負った。 八森町滝の間では、父親が経営する海の家にいた小学4年の女子児童(10)が、高波のため割れた玄関のガラスで手足を切る軽傷。 また鹿角市十和田では国道にはみ出した倒木の撤去作業をしていた消防団の男性(53)が、切り落として跳ね返った切り株で、右手を切る軽傷を負った。 8月21日朝刊 (毎日新聞) -