◇93市町村が「災害警戒本部」設置 奄美地方、種子島屋久島地方などを暴風域に巻き込んだ`16|は29日、県内全域に雨、風の影響を及ぼしながら北上を続けた。 海、空の離島便を中心に交通網は終日乱れた。 予報によると、30日午前に薩摩、大隈地方に近づく「直撃」コース。 県本土に上陸すれば、98年10月の`10|以来となる。 県をはじめ、各自治体などは災害への警戒に追われた。 【神〓真一・河津啓介】 ◇名瀬市で家屋浸水や停電被害 ◆奄美地方 `16|の暴風域に入った奄美地方は、29日朝から激しい風雨に見舞われた。 名瀬測候所によると、名瀬市で29日午後2時前に43・8メートルの最大瞬間風速を観測するなど、日中を通して20メートル以上の強風が吹き荒れた。 名瀬市街地の商店街では、ほとんどの店がシャッターを降ろし、静まり返った。 通りには吹き飛ばされた看板や植木ばち、ゴミなどが散乱、自転車やバイクがなぎ倒されていた。 強風の影響で街路樹が倒されたり、枝が折れ道路に飛び散った他、農村地域では収穫前のサトウキビや島バナナの木が被害を受けた。 また、高潮などで一部に家屋浸水などの被害も出ている。 九州電力奄美営業所によると、同日午後5時現在、奄美地方では名瀬市、徳之島町、喜界町和泊町など最大で約2万2480戸が停電している。 ◆警戒体制 県消防防災課によると、29日午後7時現在、93市町村が「災害警戒本部」を設置し、うち、27市町村は「災害対策本部」に強化した。 関係者は風雨のほか、「大潮」のため、高潮被害への警戒も強めている。 鹿児島市は29日夕、竜ケ水地区81世帯151人に対し、避難勧告。 採石場でがけ崩れのおそれがある住用村戸玉地区でも避難勧告が7月9日以降続いている。 また同4時現在、31市町村で286世帯411人が自主避難した。 ◆行楽施設 29日は夏休み最後の日曜日だったが、各地の行楽施設は台風接近に伴い、軒並み臨時休園。 鹿児島市の平川動物公園、七ツ島サンライフプールは30日も終日休園する。 鹿児島市の磯海水浴場は鹿児島湾には白波が立ったため、28日から遊泳禁止で、30日も終日禁止予定。 浜辺のテントや沖の遊具がすべて撤去され、閑散とした雰囲気が漂っている。 「夏休み中に営業できるのはもう最後の31日だけ。 最後の週末に台風が重なり残念」とこぼしていた。 鹿児島市の天文館など各地の繁華街も人はまばら。 例年、宿題の追い込みでにぎわう各地の図書館も「座席の利用は半分程度」(県立図書館)という。 ◆交通 海や空を中心に交通機関も29日、大きく乱れた。 また、鹿児島市交通局は29日夕、市電と市バスを30日始発から運行を見合わせると発表。 運行再開は未定で、交通の乱れは長引きそうだ。 鹿児島空港など発着の航空機は29日午前中に一部の便が運航したが、日本航空(jal)、全日空(ana)、日本エアコミューター(jac)などで離島便を中心に計147便が欠航した。 また、桜島フェリーや垂水フェリー、鹿児島と種子島、屋久島などを結ぶ高速船トッピーは全便欠航した。 8月30日朝刊 (毎日新聞) -