`16|の激しい風雨に見舞われた30日、県内では2人が死亡、16人が重軽傷を負い、約2万3800世帯に一時避難勧告が出されるなど大きな被害が出た。 ◇瞬間風速55.8メートル−−日南市油津 宮崎地方気象台は県内全域に大雨、洪水、暴風警報、県平野部に波浪、高潮警報を発令。 降り始め(27日午後8時)からの雨量は30日午後5時現在、えびの市803ミリ▽南郷村756ミリ▽都城市543ミリ▽日南市213ミリ▽宮崎市190ミリ▽延岡市145ミリ――に達した。 強風も吹き荒れ、日南市油津では1950年の観測開始以来最大の瞬間風速55・8メートルを記録した。 日之影町七折では30日午前7時半ごろ、自宅倉庫の屋根を修理していた無職、平田恵さん(71)が突風にあおられ、道路に転落して死亡。 都城市大岩田町でも同9時ごろ、強風で傾いた庭木を切っていた無職、愛甲勝徳さん(82)が脚立から転落、死亡した。 大淀川、本庄川、五ケ瀬川、小丸川など大きな河川では相次いで警戒水位を突破した。 県によると、延岡市(1万8180世帯)、日南市(3530世帯)、都城市(約980世帯)など計約2万3800世帯に一時避難勧告。 他に約1360世帯が自主避難した。 床上、床下浸水は都城市の約300世帯を含む計約420世帯、家屋の一部損壊も五ケ瀬町の12棟など計17棟あった。 交通機関も大幅に乱れ、空の便は午後6時現在で計61便が欠航。 海もマリンエキスプレスの全5便が欠航した。 国道10号(北川町)、同220号(日南市)、宮崎自動車道、東九州自動車道も通行止めになった。 ■県央 ◇停電、浸水相次ぐ 宮崎市は30日夜半から午前にかけて激しい風雨に見舞われた。 街には折れた樹木の枝が散乱。 強風で壊れた商店のシャッターや、一部冠水した道路もあった。 停電も相次ぎ、消えた信号機があちこちに見られた。 市によると、加江田、瓜生野、富吉、糸原などの約2900世帯、約6200人に避難勧告が出された。 瓜生野小学校に夫婦で避難した女性(62)は「ここ数年、経験がない激しい台風。 川が近いので家が浸水しないか心配」と話した。 高岡町でも宮水流、小山田、麓など各地区で浸水被害があった。 ■県北 ◇増水で田や市道冠水 五ケ瀬川、大瀬川、祝子川など大きな河川が流れ込む延岡市では、増水のため避難した住民が不安な時間を過ごした。 市立東海小学校には祝子川周辺の住民約30人が避難。 家族5人で避難した主婦、山口幸代さん(55)は「大きな台風で、水だけが怖い。 これ以上雨が降らないでほしい」と祈るような表情。 同市夏田町周辺の田は祝子川の増水で水浸しになり、市道も冠水して交通が渋滞した。 約25アールの水田が被害にあった主婦(60)は「やっと穂が出たばかりなのに。 今年は好天続きで豊作を喜んでいた。 ショックです」と言葉にも力がなかった。 一方、県立延岡病院駐車場では、車約100台の窓ガラスが割れる被害が。 風に巻き上げられた小石が直撃したとみられる。 北郷村宇納間(うなま)の宇納間神社(園田大和宮司)でも、村天然記念物の樹齢1000年のイチイガシ(高さ約40メートル、幹周り約8メートル)が倒れ、参道を挟んで建つ社務所と神楽殿が半壊した。 ■県南 ◇民家に浸水被害−−高潮や川増水 串間市の福島川河口一帯では、満潮時の午前6時前から浸水被害が広がり、民家など約50戸が床下浸水。 市は「一部は床上まで浸水した可能性もある」として調査を進めている。 外浦湾に面した南郷町の栄松地区でも同時刻ごろ、民家に浸水被害があった。 日南市の酒谷川は危険水位を越え、市は市中心部の3530世帯に一時避難勧告。 低地にある一部地域では濁流が流れ込み、畑や民家が水につかった。 同市富土の観光施設「サボテンハーブ園」では、130万本といわれるウチワサボテンの茎(枝)がほとんど折れる被害が出た。 「まともに残っているのはない」(同園)状態という。 新芽が出る可能性はあるが、時間がかかる。 園内の温室もガラスが割れるなどの被害を受けた。 ■県西 ◇お年寄りをボートで救出 都城市では下川東4、宮丸町、松元町などに避難勧告が出され、一時500人を超す市民が避難した。 同市都島町などでは一帯が一時冠水。 同市鷹尾1などでは消防の救助隊員がお年寄りをボートで救出する様子もみられた。 国道10号も同市甲斐元町で冠水し、一時通行止めとなった。 けが人も相次ぎ、都城地区消防本部のまとめによると、高城町で子ども部屋のガラスが割れ、中学1年の男子(13)と小学6年の女子(12)が手足に軽いけが。 同市立明道小体育館に家族や親せき3人で避難した同市甲斐元町、会社員、川内康隆さん(59)は「自宅が浸水し始め、慌てて避難した。 身の回りの物を持って来たが、家がとても心配だ」と不安そうに話した。 ■対策本部 県は30日午前9時、県災害対策本部を設置。 危機管理局の職員ら50人が被害の情報収集などに追われた。 午後4時半、本部長の安藤忠恕知事ら幹部約15人が会議を開き、対策を話し合った。 会議では農産物や公共施設の被害状況を報告。 都城、小林市などで普通期水稲の2~3割が被害を受け、ナシやミカンにも影響が出たという。 海岸では佐土原町の石崎浜で約160メートルの浸食が起きた。 県施設では、五ケ瀬町の五ケ瀬中等教育学校の屋根の一部が壊れた。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇県内に大きな傷跡 県内全域を暴雨風に巻き込んだ`16|。 道路冠水や浸水、家屋や樹木の被害など大きな傷跡を残した。 8月31日朝刊 (毎日新聞) -