`16|による高潮で、高松市東部を流れる春日川の私有地堤防のり面の2カ所、計60メートルにわたり、土が削られたり海水が漏れたりする被害が出ていたことが7日、分かった。 管理する県高松土木事務所によると、損傷現場は私有地のため、これまで県による改修工事は行われていなかった。 同事務所は、`18|による洪水や高潮に備え、土のうを積むなどの応急措置を施したが、治水対策が不完全なまま事実上“放置 されている状態だ。 県などによると、江戸時代に高松藩を治めていた松平家が、藩所有の河川の堤防を地主ら民間人に売却、財政を立て直したとされる。 その後、道路工事などで国や都道府県などに買収されたが、県内では現在までに判明しているだけで数カ所が私有地のまま残されている。 私有地の堤防が残されているのは、全国でも珍しいという。 私有地の堤防は、河川法が適用される「河川区域」に当たるため、土地の所有者に関係なく工事が可能と解釈されるが、現実には「私有地のため都道府県が買収してから工事に入るのが通例」(県河川砂防課)という。 今回の高潮で損傷が出た2カ所の堤防は同市木太町にあり、自営業の男性が所有。 県などによると、県と男性との間では、約10年前から買収交渉が続いているが、条件面で折り合いがついていない。 そのため、春日川では県によるのり面改修工事が進んでいるが、男性所有の堤防約200メートルは手つかずのまま土がむき出し状態で、そのうち約60メートル部分で被害が出た。 県高松土木事務所は、地元消防団員などから通報を受けて6日に調査。 1カ所では海水が水圧で堤防の反対側に噴き出したとみられる跡が見つかったほか、別の場所では土が露出したのり面が1メートル以上削られていた。 同事務所は土のうを置いて土を埋め込むなどの応急措置を、6日夕方から夜にかけて急きょ実施。 しかし、同事務所の担当者は「当面はこのままにしておく」と説明、本格的な工事はできないままだ。 【清水直樹】 9月8日朝刊 (毎日新聞) -