連日うだるような暑さが続いた今年の夏。 岐阜地方気象台によると、日中の最高気温が30度を超えた真夏日は、28日までに岐阜市で93日を記録。 1894年の85日を超え、1883年に観測を初めて以来110年ぶりに最多記録を更新した。 台風が多かったのも今夏の特徴。 県内ではビールや家電業界が売り上げ増で笑顔を見せる一方、猛暑や台風の被害を被った農家では「お天道様には逆らえない」とあきらめの声も。 暑かった今夏の「泣き笑い」を追った。 【米川直己、秋山信一】 ◇9月も暑い 同気象台によると、7月の岐阜市の平均気温は、観測史上最も高かった94年の29・4度に次いで2番目となる28・9度(平年26・2度)を記録。 日中の最高気温が30度を下回った日はわずか2日間と、記録的な猛暑となった。 8月も最高気温が30度を下回った日は2日間だけ。 9月に入っても暑さは続き、28日までに19日間の真夏日を記録した。 ◇ビール業界は笑顔 好調だったのはビール。 キリンビール岐阜支店によると、7月の出荷は昨年同月と比べて1~2割増。 業界向けの売り上げが増えたほか「発泡酒が増税になった影響か、家庭向けビールの出荷が予想より増えた」という。 アサヒビールも、6~8月の中部地区の売り上げは前年同期比で106%増。 中部地区本部によると、出荷量は業務用で111%、家庭用でも107%増加した。 ビアガーデンも好調で、毎晩のように夜空の下で「乾杯」が繰り返された。 6月1日にオープンした岐阜市長良福光のルネッサンスホテルの「スカイビアガーデン」では、8月末に営業を終了する予定だったが、今月17日まで営業を延長。 担当者は「おかげさまで連日満席でした」とほくほく顔。 ◇家電も好調 ヤマダ電機岐阜本店によると、7月はエアコンが好調で、売り上げは前年比約250%増。 岐阜地区は特に全国平均(160~170%増)を上回る記録的な好調ぶりを見せた。 担当者によると、「8月はエアコンの設置工事が追いつかなくなるほどだった」という。 冷蔵庫も猛暑を機に買い換える客が多かったこともあり、売り上げは前年比で約150%増だったという。 ◇農作物は打撃 ja全農岐阜によると、今年の県内の野菜の出荷量は、猛暑や台風の影響で昨年と比べて5~10%減ったという。 長ピーマンやダイコンなどが日焼けしたり、台風で腐る被害が県内で相次いだ。 県農林水産政策室によると、特に今夏は県内を6、16、18号の三つの台風が通過した影響で、計10億4200万円の被害が出た。 県内の農家は「昨年は冷夏、今年は猛暑と台風で踏んだりけったりだ」と嘆く。 ◇秋は平年並みに 同気象台が24日に発表した1カ月予報によると、10月の気温は平年並みかやや高めとなりそう。 秋の気配を肌で感じるのはもうしばらく先になりそうだ。 9月29日朝刊 (毎日新聞) -