線路わきの土手が崩れ、立ち往生するjr中央線の下り快速電車(右)=9日午後7時54分、東京・四ツ谷駅近くで `22|は横殴りの雨と強い風を伴いながら9日、関東や東海地方を直撃した。 東京都心では夕方から夜にかけて被害が拡大し、水が流れ込んだ工事現場で作業員が行方不明になったほか、jr中央線が土砂崩れで運転中止となったりした。 各地で河川が増水したり路上に水があふれたりし、愛知、静岡、千葉県などでは700世帯以上が公共施設などに避難した。 ◆行方不明 9日午後6時15分ごろ、東京都港区赤坂5の排水管工事現場が水没し、地下の排水管内にいた江戸川区中葛西、作業員、星野弘行さん(32)が大量の雨水に流され、行方不明になった。 一緒に作業していた別の作業員2人は逃げて無事だった。 東京消防庁の水難救助隊が、ダイバーを動員して救出活動を続けている。 同庁などによると、排水管は直径2・7メートル、長さ700メートルで、地下42メートルの位置に埋設されている。 現場は、tbs放送センターに隣接する公園わきで、付近が大雨の度に冠水するため、排水管を整備しようと東京都水道局が発注した工事だった。 一方、静岡県では、木材などを取り除く作業をしていた御前崎市の無職水野信夫さん(60)が横舟川に流されるなど、2人が行方不明。 千葉県御宿町でも、新聞配達中の男性(74)が行方不明になり、県警は増水した川に転落した可能性が強いとみている。 ◆交通混乱 東京都千代田区のjr中央線四ツ谷―市ヶ谷駅間では午後7時ごろ、線路脇の斜面の土砂が崩れ、中央線快速電車の線路を約10メートルにわたってふさいだ。 jr東日本東京支社によると、けが人は出ていないといい、職員約50人が土砂の撤去作業にあたった。 市ヶ谷駅側に約50メートルの線路上では、東京発高尾行き下り列車が一時止まった。 中央線快速電車は東京―新宿間で運転を取りやめた。 東海道新幹線は静岡県の新富士―掛川間で雨量計の規制値が上回り、午後6時50分現在で上下線79本の運休が決まるなど、夜まで終日ダイヤが乱れた。 東京駅では、新幹線の運転再開を待つ乗客約1000人が足止めされた。 空の便は、9日午後7時までに、日本航空で羽田―札幌など172便、全日空で八丈島―羽田など145便、日本トランスオーシャン航空でも那覇―福島など2便がそれぞれ欠航を決定。 全国各地の空港で計約6万5000人に影響が出た。 国土交通省によると、羽田空港の発着便だけで、計299便が欠航したという。 ◆冠水 東京・渋谷区のjr渋谷駅前は夕方になって道路が冠水し、人の足首まで水につかった。 通り沿いのビル管理者や飲食店の従業員は、マンホールのふたを開け、歩道にあふれた雨水を懸命にほうきではき出した。 また、品川区北品川の山手通りでは、道路冠水で同区東品川の会社員(56)の乗用車が立ち往生した。 車内には一家3人が閉じこめられたが、パトカーで通りかかった警察官に窓から助け出された。 冠水した雨水は水位約50センチに達していた。 ◆避難 台風が接近した地域では河川が増水し、各地で住民が公共施設などに自主避難した。 房総半島を中心に、10市町で計1386世帯に避難勧告が出された千葉県。 大多喜町では小学校の体育館など計3か所に約60世帯の約120人が避難した。 住民らは毛布に身をくるんで暖を取ったが、高齢者を中心に疲れの色が濃く、おにぎりが配られても食が進まない様子だった。 (読売新聞) -