`22|の上陸に伴う県内の農林業の被害は約11億1650万円に上ることが12日、県農林水産部の概算で分かった。 また、船橋の東京湾の三番瀬では、増水した江戸川放水路から真水が流れ込んだ影響で、養殖ノリなどに数億円規模の損害が出る恐れがあることが判明。 この他、不法残土が流出し道路をふさぐなどの状況も続いており、被害はまだ広がりそうだ。 【山縣章子、中川紗矢子、寺田剛】 ◆ニンジン、ネギ、大根など全滅の所も ◇農林業 県農林水産部によると、11月中旬から出荷が始まる富里市のニンジン、成東町のネギ、銚子市の大根などの農作物のうち、畑の冠水の影響で全滅したものもあり、総額約4億7140万円の被害が出た。 また、勝浦市や大多喜町などで農地が崩れたり、水路が決壊し、農業用施設の被害が約3億1500万円となった。 林業関連は、がけ崩れなどの影響で約2億7000万円の被害が出た。 漁業関係の被害の詳細は調査中だが、千倉町で天然護岸の決壊や、館山市で防波堤の損壊などがあり、漁業関連施設の損害だけでも6000万円に上る見込みという。 ◆崩落、道路を70メートルふさぐ ◇市川・不法残土 市川市本行徳の民有地に建設残土などが不法に投棄され出来た通称「行徳富士」=約4万3000平方メートル、高さ37メートル=が9日夜から10日未明にかけ、約400立方メートル崩落、国土交通省が管理する南側の道路(幅7メートル)を長さ約70メートル、高さ約10メートルにわたりふさいだ。 同省などによると、地盤が緩んで2次災害の恐れがあるため、復旧のめどは立っていないという。 この道路は国道357号沿いにあり、近隣のリサイクル工場に建設資材などを搬入する車両が主に通行しており、崩落後は迂回(うかい)路を利用しているという。 国道との境には高さ約60センチの防潮堤があり、流入を防いだ。 残土を不法投棄した業者は01年12月、市残土条例違反罪で懲役1年の実刑判決を受けたが、残土は撤去されていない。 ◆放水路の土砂・真水流入−−ノリ、アサリ大きな影響 ◇三番瀬 船橋市漁業協同組合(岩田常雄組合長)は、三番瀬で養殖し、年間売上高約3億円のノリの約8割に被害が出る可能性があるとみている。 また、12日に水揚げした天然のアサリ7トンのうち3~4割が死んでいた。 市によると、秋雨前線の影響でアサリの約7割が死亡した98年以来の被害規模になりそうだという。 同漁協や国土交通省によると、江戸川が増水したため9日夜から11日夜まで、放水路と漁場を隔てる行徳可動堰(せき)を開けた。 水門から南に約1・5キロの漁場(約9140平方キロ)に細かい土砂の混じった真水が大量に流れ込み、海底のアサリが土砂に埋まって窒息死した。 また、流入の影響でアオサなど海藻がノリの養殖網にからまり、網に植えたノリの胞子が育たなくなったり、塩分濃度の低下で成長が阻害される恐れがあるという。 同省によると、水門は増水で河川付近の住民に被害が出る恐れがある場合に開くという。 ◇浸水、がけ崩れさらに増える−−県まとめ 県消防地震防災課によると、12日午前8時現在、台風による死傷者は19人で、市川市で行方不明になった男性はまだ見つかっていない。 住宅の床上・床下浸水は計1029棟、がけ崩れは42市町村で275カ所。 勧告などに基づき避難していた各地の住民らは10日に自宅に戻っている。 10月13日朝刊 (毎日新聞) -