大型の`23|の接近に伴い、県内各地は20日朝から被害が相次いだ。 県の災害対策本部の午後8時現在のまとめでは、九十九里町で男性2人が行方不明、1人がけがを負った。 また26市町村で計95世帯162人が自主避難している。 県内は今月9日、`22|直撃で死者1人、行方不明1人、けが18人が出た他、1次産業も大打撃を受けたばかり。 再び襲ってきた台風に、県民は不安な夜を過ごした。 【桜井憲司、曽田拓、森禎行】 東金署などによると、九十九里町小関の片貝漁港で20日午前、湯浅正光さん(48)=白子町浜宿=と佐藤実さん(48)=市原市五井西=の2人が行方不明になった。 当時は、防波堤延伸工事で使う機材などをロープで固定する作業中だったという。 2人は市原市内の建設会社勤務で、救助しようとした同僚の男性(38)も軽傷を負った。 自主避難は、大原町で12世帯15人▽光町で10世帯17人▽富津市で8世帯22人――など。 大原町新田野、無職、藤谷滋さん(79)は町立東小体育館に22号に続く避難で、「22号で床上40センチまで水に浸かり、今も乾いていない。 床工事も始まっていないのに、また台風とは」と話した。 県全体で床下浸水9棟とがけ崩れ2件が発生。 東京電力千葉支店によると、延べ約1300軒が停電した。 沿岸地域では漁船を陸に引き揚げるなどの作業に追われた。 県最南端の白浜町では午後1時ごろから4・5メートルほどの高波が岸壁に押し寄せ、海岸に近い民家は補強作業などをして備えた。 館山市は防災無線で厳重な戸締まりを呼び掛けた。 また、公立学校では小学校1校が休校、小・中・高校で計359校が下校時間を早めるなどの措置をとった。 21日は松尾町の小・中4校が休校、県内の小・中64校が授業開始を遅らせる予定。 交通機関も20日午後から混乱が続き、jr千葉支社によると、午後9時現在、計50本が運休、計55本に遅れがあり、約1万9000人に影響が出た。 富津市と神奈川県を結ぶ東京湾フェリーは計21便が欠航。 成田空港では午後7時現在、国際・国内線計19便が欠航し、国際線3便が21日以降に出発・到着を延期した。 ◇市価さらに高騰も ◇農業被害◇ `22|で県内は約11億円(県の概算)の農業関連の被害が出た。 千葉はネギと大根の産出高が全国1位、ニンジンが2位で、23号による被害の拡大は、全国的な農産物価格の上昇につながる可能性がある。 22号は、いずれも11月中旬に出荷予定だった富里市のニンジン、成東町のネギ、銚子市の大根など県東部を中心に被害をもたらした。 県農林振興課によると、出荷量の見通しは前年比90~95%と低くなっている。 八街市などの台地で水はけが悪い土地では、22号の雨水がたまったままの畑も多い。 同課の担当者は「南海上には24号も発生している。 いいかげんにしてほしいという気持ち」とため息を漏らす。 台風と秋雨の影響で農産物の価格は既に上昇している。 県内の多くの青果業者が仕入れる東京都中央卸売市場で10月上旬の平均価格は、大根が1キロ当たり143円で昨年同時期2・13倍、ネギが同393円で1・96倍など、2倍前後になったものがある。 同課は「これから出回る県産野菜の影響は反映されておらず、今後、市場価格はさらに上がる可能性がある」と話している。 【吉岡宏二】 10月21日朝刊 (毎日新聞) -