大型で強い`23|が九州の東側をかすめるように北上した20日、県内でもほぼ全域が暴風域に巻き込まれ、交通機関のダイヤが乱れるなど各地で被害や影響が相次いだ。 【新里啓一、門田陽介、高橋克哉】 ■暴風 熊本地方気象台によると、最大瞬間風速は阿蘇山頂で午前11時1分に36・8メートルを観測。 熊本市で26・0メートル、牛深市で30・7メートルを記録し、それぞれ10月の観測史上最高を塗り替えた。 菊水町久井原の神社では午前9時ごろ、境内のマキの木(高さ約20メートル)が根元から倒れ、崖下の2階建て民家を直撃。 屋根の一部が壊れたが、けが人はなかった。 ■負傷者 県警によると、水俣市袋の民家で午前4時ごろ、庭の様子を見ようと外に出た女性(66)が庭の段差につまづいて転倒、右足骨折の重傷を負った。 三角町三角浦でも女性(83)が強風にあおられ転倒し、左足を骨折するなど県内で計4人が重軽傷を負った。 ■避難・休校 県によると、県内で避難勧告は出なかったが一時、47市町村で700世帯1078人が付近の公民館などに自主避難した。 また、県教委などの集計では小中高校などで全体の8割を超える784校が休校した。 ■交通機関 jr九州では九州新幹線と鹿児島線が始発から一部区間で運転を見合わせ。 空の便も始発からダイヤが乱れ、計30便が欠航した。 フェリーや高速船は県内の主要航路で終日運行を控えた。 ■停電 九州電力熊本支社によると、天草地方を中心に一時は約3300世帯が停電。 午後6時過ぎ、全面復旧した。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇相次ぐ台風襲来、冬野菜出荷にダメージ−−青果市場、品薄から一部が高騰 8月末に県内を直撃した`16|以来、相次ぐ台風の襲来が冬野菜の出荷にダメージを与えている。 冬場は鍋を中心に野菜の需要が増える季節だが、ハウスものを中心に大きな被害を受け、出荷量が減少。 青果市場では品薄から一部の野菜が高騰している。 16、18、21号と相次いで直撃した台風で、野菜はハウス倒壊などによる深刻な被害が多発。 県によると、被害を最小限に抑えるために、台風直撃前に生育をあきらめてハウスのビニールをはぎ取る農家も多く、「農家にとって精神的ダメージも大きい」という。 鍋料理が食卓に並ぶ冬場に向け「野菜需要は最も高くなる」(県農政課)だけに、被害による品薄が市場を直撃。 熊本市の「熊本大同青果」によると、キュウリは昨年の4~5倍の高騰。 トマト、ナスなどの主力も入荷量が軒並み3割近く減り、市場価格は2倍程度に上がっているという。 同社は「需要はあるので県外から入荷する分、価格は高くなる。 現在はやや持ち直し気味だが、11月までは厳しい状況が続くかもしれない」と説明。 一方で「ゴボウ、バレイショなどの土もの野菜は被害が小さく、家庭でもメニュー変更を考える必要があるかも」と指摘する。 【石川淳一】 10月21日朝刊 (毎日新聞) -