九州に接近した大型の`23|の影響で、県内は20日の日中、風速15メートル以上の強風域に覆われ、各地で家屋などの被害が続発。 度重なる台風襲撃に「もううんざり」と嘆きの声も聞かれた。 【宮本尚慶、山下託史】 ◆今年2番目の強風 佐賀市では午前11時51分、最大瞬間風速35・8メートルを記録。 9月7日に`18|が県内に最接近した時に次ぐ強風だった。 一方、降り始め(18日午後6時)からの各地の降雨量は、20日午後5時現在で、多良岳159ミリ▽嬉野町138ミリ▽唐津市和多田145ミリ▽佐賀市93ミリ――など。 ◆6人重軽傷 県によると、県内では3人が重傷、3人が軽傷を負った。 有明町牛屋では午前7時過ぎ、自宅の屋根で瓦が飛び散るのを防ぐ作業をしていた男性(68)が誤って転落し重傷。 多久市北多久町小侍では、神社の境内で雨宿中の男性(55)が、倒壊した建物の屋根に右足を挟まれ骨折した。 ◆家屋被害も深刻 県消防防災課によると、20日午後6時現在の家屋被害は計48件。 小城町では午前9時半ごろ、民家の瓦ぶき屋根が崩れ落ち、家族3人が町福祉センターに避難。 佐賀広域消防局には正午までに、同町や多久市などから屋根瓦が飛び散るなど10件以上の通報があった。 九州電力佐賀支店によると、20日午後2時の時点で約1万5800世帯が停電。 停電率は3・6%と今年最大で、終日復旧作業が続いた。 ◆車の横転相次ぐ 県警のまとめでは、午後0~2時台を中心にトラックの横転事故が続出、計14件(15台)に達した。 多久市南多久町の県道では、わずか約1キロの区間で強い横風を受けたトラック3台が次々と横転。 福岡市から武雄市に荷物を運んでいた福岡県春日市の男性運転手(63)は「車を止めて風が収まるのを待っていたら、荷台が風をもろに受けて倒れた。 フロントガラスからどうにかはい出した」と青ざめていた。 大和町梅野の国道263号では道路東側の斜面でがけ崩れが発生。 樹木や土砂が道路をふさぎ、周辺約1・5キロが通行止めになった。 東脊振村の畑刈交差点では午前9時40分ごろ、信号機のコンクリート製支柱(直径約30センチ、高さ約5メートル)が強風で折れ曲がり、信号機が車道上に倒れたが、車の被害はなかった。 ◆花畑も惨状 相次ぐ台風で深刻な潮害・風害を受けた川副町の佐賀空港コスモス園(30ヘクタール)。 地元住民が今月末の見ごろに向け懸命に修復作業を続けていたが、再び被害に見舞われた。 空港応援団コットンボール実行委の吉田武光会長は「つぼみが膨らみ始める一番大事な時期だったのに」と肩を落としていた。 多久市の多久聖廟近くのヒマワリ畑(50アール)も、満開の約2万本の花が軒並みなぎ倒された。 市企画商工課は「今週いっぱい花を楽しんでもらえると思っていたが」と残念がっていた。 有明海の養殖ノリは、1ミリほどの芽が網に付着する時期。 前日、網にいかりを下ろし固定する作業に追われた漁民は「幸い網は無事だった」と胸をなで下ろしていた。 ◆交通機関も混乱 佐賀空港発着の8便は7便が欠航。 jr九州と松浦鉄道も始発から運休が続いた。 一方、20市町村の計132人が近くの公民館などに自主避難。 小・中・高校・養護学校など計272校が休校した。 10月21日朝刊 (毎日新聞) -