`23|は20日午後1時ごろ、土佐清水市付近に上陸し、県内を横断した。 今年の県内への台風上陸は5回目で、記録が残る1951(昭和26)年以降の上陸回数の記録をさらに更新した。 室戸市で3人が死亡するなど、台風で今年初めて行方不明者、死者が出たほか、県西部を中心に警戒水位を大幅に超える河川が相次ぎ、約6000人を対象に避難勧告が出されるなど警戒が続いた。 ◇洪水警戒6000人に避難勧告 ◆死者・行方不明 20日午前11時ごろ、大月町樫ノ浦の樫ノ浦漁港内に流入している川の岸辺で、付近の住民5人が漁船(長さ約5メートル)の引き上げ作業を行っていたところ、高波に襲われ3人が川に流された。 うち2人は自力で岸にたどり着いたが、同町樫ノ浦、漁業、横山静雄さん(75)が行方不明となっている。 また、土佐清水市足摺岬の伊佐漁港では20日午後0時30分ごろ、漁船を高い場所に移動させようとしていた地元の漁師ら5人が高波にさわられた。 そのうち、近くの漁業、中沢正水さん(67)が行方不明となり、約2時間半後に港内で水死しているのが見つかった。 また、大方町の50代の女性と、高知市の60代の男性、奈半利町の70代の男性が転倒するなどしてけがをした。 ◆相次ぐ避難勧告 高知地方気象台によると、降り始めから午後3時までの雨量は、東津野村船戸525ミリ▽窪川町472ミリ▽本山町442ミリ▽佐川町439ミリ▽高知市306ミリ。 県西部を中心に20日早朝から激しい雨となり、洪水を警戒した避難勧告が相次ぎ、対象は約2500世帯6000人で、今年の台風では最大規模となった。 県のまとめでは、対象地域は、土佐清水市下の加江413世帯1025人▽中村市中筋地区567世帯1445人、東中筋地区531世帯1374人▽窪川町仁井田地区52世帯123人、茂串町・本町・琴平町524世帯1181人▽宿毛市山田地区252世帯638人――など。 自主避難者も約200世帯300人に及んだ。 ◆不安募らせる住民 午前9時40分、下ノ加江川がはんらんする恐れがあるとして避難勧告が出された土佐清水市下ノ加江地区。 台風の上陸地点にも近く、住民は不安を相次ぐ台風に不安を募らせた。 漁師の浜田偉佐夫さん(55)は「近所の独居老人の家庭などを5軒ほど回って、たたみを上げたり、危なくなったら自主避難するよう呼びかけた。 生まれてから50有余年住んでいるが、こんなに台風がきた年はなかった」と話していた。 また、無職の岡崎一栄さん(80)は「息子が漁師をやっているので、今年は6~7回、台風に備えて船を港につないだ。 本当に大変な年だった」と語った。 10月21日朝刊 (毎日新聞) -