◇幼虫のえさの植物を育成−−熊本南部森林管理署 国内で市房山(水上村)や内大臣峡(山都町)にしか生息しない国指定天然記念物のチョウ「ゴイシツバメシジミ」を守ろうと、人吉市の熊本南部森林管理署は11日、チョウの幼虫がえさとする着生植物「シシンラン」の保護育成を始めた。 昨年9月の`18|で木からはがれ落ちたシシンランをプランターで育て、約2年後、樹上に再移植する計画だ。 ゴイシツバメシジミは羽を広げても全長2センチ程度の小さなチョウで、碁石のような黒い斑紋が特徴。 国内では73年、市房山で発見された。 イワタバコ科のシシンランが育つ原生林の伐採や密猟などにより数を減らし、環境省レッドデータブックの絶滅危惧(きぐ)1類に指定されている。 市房山では`18|で多くのシシンランが落下し、チョウのえさ場が狭まった。 そこで、同管理署や水上村、日本森林技術協会の職員ら約15人が11日、三枝豊平・九州大名誉教授(昆虫学)の指導の下、落下したシシンラン約100株をプランターへ移し替え、国有林内に設置された育成小屋2棟に運び入れた。 作業は12日も続けられる。 今後、同管理署が定期的に水やりをし、2年後をめどに再び森に返す。 同管理署は「生息環境さえ整えてやれば絶滅の危機から救えるはず。 シシンランを増殖させてゴイシツバメシジミが舞う森を取り戻したい」と話している。 【阿部周一】 5月12日朝刊(毎日新聞) -