`14|が九州を縦断した6日、県内は早朝から暴風雨に見舞われ、6人(午後5時現在)が重軽傷を負った。 大きな被害は免れたものの、河川はんらんなどの恐れから、一時、9市町村で約8900人に避難指示・勧告が出され、62市町村で3664世帯6309人が自主避難した。 また、人吉・球磨などで約8600戸が一時停電、鉄道各社も運行を見合わせるなど生活全般に影響が出た。 ■けが人 県防災センターや県警によると、県内では6人が重軽傷を負った。 西合志町須屋では6日午前10時ごろ、屋根瓦の様子を見に行った女性(53)が足を滑らせ屋根から転落、腰を骨折した。 また、午後0時15分ごろ、合志町竹迫の工場で、男性従業員(43)が、強風で閉まった鉄製ドアに左手指を挟まれ、中指の先端を切断するけがをした。 ■交通機関 熊本空港発着の空路やjr、バスなどの陸路、フェリーなど海の便もストップした。 九州自動車道を含め、県内各地で土砂崩れや道路冠水で通行止め。 交通網はマヒ状態になった。 ■臨時休業 暴風雨を警戒して臨時休業する店も相次いだ。 熊本市桜町のくまもと阪神は「お客様と社員の安全のため」、終日営業を見合わせた。 県内でスーパー「ニコニコドー」22店舗を展開する「ゆうあいマート」は全店の営業時間を正午~2時までに短縮した。 県立美術館(熊本市二の丸)など公共施設も臨時休館した。 ◇増水浸水、不安な一日 台風による雨で、球磨川が増水し、人吉市では6日午前10時40分に危険水位3・42メートルを越えた。 このため、人吉市は同11時10分、同市温泉町や相良町など431世帯計1037人に避難勧告を出した。 避難先の一つ、同市下城本町の人吉スポーツパレスでは100人を超す住民たちが不安げな表情でテレビやラジオの台風情報に注目していた。 また、球磨村では球磨川の増水で県道人吉水俣線が冠水したほか、同村渡の球磨川堤防沿いの低地にある民家の庭にも周辺から水が流れ込み、正午過ぎから、激しい風雨の中、消防団らがポンプで排水をした。 芦北町は午後1時10分、球磨川の増水で床上浸水した同町告漆口地区の6世帯9人に避難指示を出した。 施設にショートステイ中の1人を除き、5世帯8人が近くの漆川内公民館や親類宅に避難した。 町によると、一帯は球磨川の増水でたびたび浸水する地区。 今回の浸水は最もひどい家で、水が2階部分に達するほどだった。 また、水俣市では最も多い時で同日正午、避難所20カ所に359人が自主避難し、不安な時間を過ごした。 夕方までにほとんどの人が自宅に戻った。 八代市泉町では同日午前、市道2カ所で路肩崩壊とがけ崩れが発生。 現場の通行ができなくなり、同市同町樅木地区の6世帯16人と同市同町仁田尾地区の6世帯20人が孤立状態になった。 八代市災害対策本部によると、孤立した地区はけが人や家屋被害の連絡はないという。 一方、99年9月の`18|による高潮で死者12人を出した宇城市不知火町の松合地区。 住民らは5日午後から近くの小学校や公民館などに次々と身を寄せ、避難所の一つ農業就業改善センターには一時48世帯78人の住民らが集まった。 窓から荒れ狂う海の様子をじっと眺めていた西浦政徳さん(67)は「6年前の高潮のことを思い出すと、いざ風が吹き荒れるとやっぱり怖い」。 100メートルほど離れた国道266号沿いの護岸は一部かさ上げされており、センターと護岸に挟まれた平地には新しい民家や施設が建つ。 それでも、同じく避難していた浦中彪さん(73)は「当時と比べて安全性が高まったのは分かっちゃいるけど、自然の猛威は何を引き起こすか予測できんからなあ」と話していた。 9月7日朝刊(毎日新聞) -