◇一時1万人に避難指示−−宇和島 ◇大洲・肱川がはんらん−−390世帯、床上床下浸水 四国、九州に記録的豪雨をもたらした`14|。 西条市石鎚山の6日の雨量は757ミリで、1日当たりの雨量が観測史上最高を記録。 宇和島市でも374ミリで9月の最多記録を更新した。 大洲市の肱川では一部がはんらんし、390世帯が床上・床下浸水。 宇和島市では須賀川ダムの放流量増加による同川のはんらんに備え、一時約1万人に避難指示が出された。 県災害対策本部は「地盤が緩んでいるので今後の雨に警戒を続けてほしい」と話した。 ■避難指示・宇和島 「ダムへの雨の流入が多すぎる。 この放流量では追いつかない」。 宇和島市の県営須賀川ダムは6日午後から急速に満水近くなり、ダム事務所は午後6時ごろ、放流量を通常の毎秒70トンから122トンに増やすことを決め、市は避難指示を出した。 増加放流の予定時間は午後8時10分。 残された時間は少なく、市職員は須賀川の流域と下流に住む住民に伝えて回り、小学校や体育館など避難場所の確保に追われた。 避難所の一つの市総合福祉センターには、食料品や着替えなどを持った約500人の市民が緊急避難。 市職員に背負われたお年寄りも見られた。 水と薬を持って避難した同市朝日町2、無職、菊地シゲ子さん(85)は「床上浸水は何度もあったが、避難は初めて」と不安そうに話した。 ■水引かず・大洲 大洲市でも降り始めからの雨量が200ミリを超えた。 通常1メートルほどの肱川の水位が、6日午後6時ごろには4・8メートルの危険水位を超え、肱川や支流の川がはんらんした。 国道56号や県道が冠水し通行止めに。 雨が弱まった7日朝になっても深さ20センチと水が引かず、幹線道路などでは通行車両は水しぶきをあげながら走っていた。 西大洲地区では浸水も相次いだ。 昨年8月の`16|の際にも床上浸水を経験した瀬社家幸治さん(55)は「昨年家財道具を失った教訓から畳を上げていたので被害は少なかった。 早く堤防を作ってほしい」と話し、後片付けに追われていた。 ■堤防決壊・新居浜 新居浜市船木では6日夜、客谷川の堤防が約30メートルにわたり決壊、20世帯が床上・床下浸水した。 増水した川の流れが堤防などを幅約5メートルもえぐり取った。 住民を避難誘導した同市消防団船木分団長の本田喜彦さん(63)は「ゴーゴーという音がして、水がもう一つの川のように勢いよく流れていた」と話した。 本田さんら消防団員によると、現場はもともと流れが急な地点。 昨秋の集中豪雨による土砂がたまったままだったという。 多くの消防団員や住民は「行政がもっと早く土砂を撤去すべきだった。 人災だ」と訴えた。 被災した住民は床下にたまった泥を洗い流し、家財道具を運び出すなどの作業に汗を流していた。 【津久井達、川上展弘、門田修一、高瀬浩平】 9月8日朝刊(毎日新聞) -