`14|による水害を受けた宮崎市の小松、富吉、瓜生野地区などでは、壊れた家財道具を運び出したり、床の泥を清掃するボランティア活動が続く。 一方、「今後どうやって暮らせばいいのか」と不安な日々を過ごしている高齢被災者もいる。 【関谷俊介】 畳がはがれ、むき出しになった板の上にたくさんの写真が並ぶ。 「思い出だけは残しておきたいですから」。 小松地区で一人暮らしの女性(84)はそう言って、13年前に亡くなった夫の写真を見せてくれた。 押し入れの奥にあったアルバムに挟まっていた写真を一枚一枚抜き取って、乾燥させていた。 女性宅は築40年ほどの2階建て延べ約140平方メートル。 2メートル近くまで浸水し、1階の商店と居間が被害を受けた。 水害時は近くの体育館に避難し、間もなく子供の家に移った。 「ご飯を食べたら、うれしくて涙が出ました」 月5万円の年金生活。 医療費などで約2万円を引いた残金で、食費や光熱費を賄ってきたが、被災後は「畳、扉の修理やなくなった電化製品を買うお金がない」のが実情だ。 「子供に迷惑を掛けられない」と14日に戻った。 居間には、子供が買ってくれたという炊飯器と保温ポットがぽつんと置かれていた。 富吉地区に住む老夫婦は「もうここには住めません」と悲痛な表情だった。 35年間住み慣れた木造平屋住宅の屋根の半分くらいまでが浸水。 ボランティアの協力で家財道具は取り除いたが、床下にも屋根裏にも泥がたまる。 夫(77)は「家の中をふいてもふいても泥が噴き出してきます」。 夫婦は公民館で寝泊まりする。 もう11日目だ。 「敷地内に小さな家を建てられたらいい」と話すが、「支援金を受けるための審査がまだない。 早くめどを立てられたら」と訴える。 宮崎市障害福祉課は「来週には査定を始めて、今月末には被災者生活再建支援金などの申請を受け付ける体制を整えたい」と話す。 市災害ボランティアセンターは、高齢者や障害者宅の室内の清掃も手伝っている。 問い合わせは同センター0985・22・0261。 ◇自治会と協力防犯パトロール−−宮崎市・小松地区 宮崎地区地域安全協会は17、18の両日、自治会と協力して台風被害を受けた小松地区をパトロールする。 10日には被災者宅での窃盗事件もあり、住民に不安が広がっているため。 約20人が徒歩中心で住民の不安の声などを聞き、警戒に当たる。 同協会の鈴木莞爾事務局長は「被災した人たちが何とか安心できるようにしたい。 パトロールが犯罪の抑止力になれば」と話している。 県警も被災地を狙った義援金の振り込め詐欺や給水中の自宅や車の施錠に注意を喚起している。 13日からは宮崎南署が専従パトカーを設置して夜間パトロールを強化し、小松、跡江、富吉地区を回っている。 また、市災害ボランティア本部は「ボランティアはリフォームや解体などはやっていない」と悪質リフォーム業者による被害に注意を呼びかけている。 【谷本仁美】 ◇宮崎市が水量調整−−大塚など止水栓締め量確保 宮崎市は15日、断水になっていない地区の上水道の水量調整を始めた。 止水栓を締め、水の出る量を蛇口全開時より3~4割減らす。 先週末に市中心部の9300世帯を対象に実施。 今回も数日間かけて大塚、大淀、東部3地区1万7000世帯を回る。 不足している水の量と水圧の確保が目的。 市上下水道局によると、止水栓の調整にはほとんどの家庭が応じているが、悪徳リフォーム業者などと誤解されることもあるという。 市水道局は委託業者に身分証を携帯させている。 市は生目台地区など水が出にくい高台に送水する水圧を確保するため、10日から夜間5時間断水。 断水時間帯でも配水管に残っている水は出るが、水圧が弱まってしまうため、断水に協力を呼びかけている。 水が出にくいことで、学校給食にも影響が出ている。 宮崎西小と生目台西小ではパンと牛乳、デザートといった水を使わない給食を実施している。 【谷本仁美】 15日時点での`14|による被災者の支援情報やボランティア情報をまとめた。 (随時掲載します)【谷本仁美】 ……………………………………………………………………………………………………… ■被災者生活情報 ◇給水場所 宮崎市▽大塚台市営住宅a集会所▽ディスポールクラブ宮崎セイカン南側▽生目台西2県営住宅生目台北団地▽同西5の4号街区公園▽同東3の3号街区公園▽同東5の7号街区公園。 いずれも8~22時。 田野町▽町役場前(7~20時)▽町物産センターみちくさ(7~18時)▽町体育館(同)▽西地区公民館(同)。 ◇入浴施設開放 青島自然休養村センター(9~16時、火曜休館)0985・65・1921▽宮崎市総合体育館シャワー施設(15~21時)0985・21・1835。 宮崎市北部老人福祉センター(17~22時)▽市総合福祉保健センター(同)▽市南部老人福祉センター(同)▽市跡江老人いこいの家(同)。 市介護長寿課0985・21・1773。 朝日スポーツクラブ「big―s宮崎」(15~18時)宮崎市内の被災者が対象で身分証明証と予約が必要。 0985・32・2525。 ◇住宅提供 宮崎市は被災者に市営住宅を提供中。 随時申し込みに応じる。 市住宅建築課0985・21・1804。 ◇夜間避難所健康相談 19~22時、小松台小ほか。 保健師による巡回相談。 市保健所健康増進課0985・29・5286。 ◇日本郵政公社九州支社 被災者の救助などをする団体あてに義援金を現金書留で送る場合、表面に「救助用」と書けば郵便物料金は無料。 口座振替の場合も通信欄に「`14|災害」と明記すれば手数料を無料化。 県内8郵便局(曽木、延岡桜ケ丘、山陰、北川、山三箇、川水流、西都三宅、延岡富美山)の平日の郵便貯金、簡易保険の窓口取り扱い時間を午後5時までに1時間延長。 9月16日朝刊(毎日新聞) -