大水害の要因と教訓を探った「`23|災害と水害環境」 昨年10月の`23|による京都府丹後地方の被災状況と要因について、佛教大の植村善博教授(自然地理学)が調査結果を著書「`23|災害と水害環境」(海青社)にまとめた。 河川流域の環境の変化で水害が起こりやすくなっていることを指摘、住民参加の治水対策など「防災文化」の必要性を訴えている。 植村教授は、調査が遅れている中小河川の流域環境を総合的に考え、災害の実態と発生要因を探ろうと、流域が隣接して降雨状況が似ている大手川(宮津市など)と、野田川(岩滝町、野田川町、加悦町など)で現地調査した。 大手川では、1990年までは150ミリを超える降雨で浸水被害を生じていたが、1998年以降は80−90ミリ程度でも浸水被害が生じるようになった。 その要因として、近年の土地開発で流水が集中化したことを挙げ、遅れている河川改修を進めるだけでなく、抜本的で総合的な治水対策を求めている。 一方、野田川では、加悦町で未改修の堤防が破壊され住宅浸水が拡大したのに対し、改修が進んでいた野田川町では比較的被害は少なかった。 同町の営農者らが歴史的に河川改修へ取り組んだことが奏功したと指摘する。 さらに、昨年10月に匹敵する総降雨量(約300ミリ)は1972年や90年にも記録されており「想定外の大雨とはいえない」と指摘。 十分予想できた災害だとする。 近年、台風の多発傾向も指摘され「水害は繰り返される」と警告、▽災害危険地図の作製と活用▽住民参加の防災計画▽学校で地域の災害や治水の歴史の学習−などを提言する。 植村教授は「何を教訓として学び伝えるかが問われている。 堤防を造ればいい、ではなく、川と人を結ぶ防災文化が求められている」と話す。 (京都新聞) -