11月に高架開業し、新市の玄関口となるjr福知山駅(福知山市天田) 京都府福知山市、三和、夜久野、大江3町による新「福知山市」が来年1月1日に誕生する。 4市町の特色を生かしながら「北近畿の都」づくりに取り組む。 だが、新市の財政状況は厳しい。 どう財源を確保し、効率的な財政運営を図るのか。 個性あるまちづくりを進めるためには地域住民との連携も欠かせない。 府北西部に位置する新「福知山市」は、人口8万1900人(本年度の国勢調査)、面積552平方キロとなる。 現在の市と比べると、人口は1・2倍に、面積は2倍にも膨らむ。 もともと文化・生活面で交流があったこともあり、「平成の大合併」の流れを受け、合併にこぎつけた。 ■人・物・情報 新市が目指すのは、「人」「物」「情報」が集まる都市だ。 まちづくり計画の主要事業の一つとして、新市の玄関口ににぎわいや人の交流を生みだすため、11月に高架開業したjr福知山駅北側に、図書館などの多様な機能を備えた複合施設「北近畿の都センター(仮称)」を建設する。 また地域間の情報格差を解消するため、全域に光ファイバーを整備。 3町には携帯電話の不感地域やテレビの難視聴地域も多く、地上デジタル放送が開始される2011年度までに環境を整え、防災情報の発信にも活用する。 これらは250億円の合併特例債の一部を利用する。 だが、華やかなまちづくり計画の一方で、大きな課題が立ちふさがる。 厳しい財政状況だ。 ■地方債491億円 合併協議会が描いた新市の10年間の財政計画は04年に作ったもの。 その後、国の三位一体の改革や各町の一般会計予算の執行が進んだ影響などで、歳出の事業費がかさんだり、基金が減少するなど財政状況は一段と厳しさを増すという。 3町の借金にあたる地方債残高は計178億円で、新市では491億円にのぼる。 単年度の公債費を見ても、現在の福知山市の約30億円から新市では約50億円に膨らむ見込みだ。 当然、新市では歳出の抑制を進める。 特に職員数が同規模の自治体より100人以上は多いとされ、市は「人件費削減は大きな課題」と位置付ける。 来年度は合併特例債事業を除いた単独事業を一般財源ベースで10%減らすなど、厳しい予算編成となるのは必至だ。 市は「合併バブルになってはいけない。 合併特例債や3町分の普通交付税が保証される合併後10年間のうちにスリム化を図り、安定した財政力をつけることが必要」と強調する。 また、地域の特色を生かしたまちづくりや柔軟な発想、アイデアによる施策展開も重要になってくる。 ■独自性を発揮 新市の計画では、各市町、地域が独自性を発揮できるまちづくりも目指している。 大江町の「鬼伝説」、朝市が人気の夜久野町の「農匠の郷やくの」、三和町の交流拠点施設「三和荘」を核にしたまちづくりだ。 すでに住民の動きは活発になってきており、三和町ではnpo法人(特定非営利活動法人)「丹波・みわ」が町営バス運営の業務委託を受けて地域の足を守る。 大江町でも棚田の田植え体験ツアーやほたるまつりなどの取り組みがあり、福知山市でも「福知山環境会議」が里山活動や動植物調査を展開する。 個性あるまちづくりを進めるには、住民やnpo(民間非営利団体)、地元企業などとの連携が不可欠だ。 合併への道のりは、決して順風満帆ではなかった。 福知山市長選や`23|の大被害、住民団体による大江町長のリコール(解職請求)運動、大江町長選。 予期せぬ出来事に、何度も協議は延期となった。 それだけに高日音彦市長は「万感の思いがある。 市民の目線にたった市政を推進し、北近畿の都づくりに挑戦したい」と意気込む。 期待と不安が交錯する中、新市の船出が始まる。 (京都新聞) -