mrtラジオの年末特別番組に出演した。 「2005年を振り返る!」のタイトルで、県内の3大ニュースを選び、それについてしゃべってくれという。 「なるほどラジオのディレクターは発想がやわらかい」と感心した。 今年最後の本欄もそれに便乗して3大ニュースを挙げてみよう。 たぶん今年は、後から振り返った時に「あの年が時代のターニングポイントだった」という形で記憶される年になると思う。 まず一つ目。 今年前半のマスコミの関心事は、宮崎交通(宮交)の行方だった。 1月に産業再生機構の支援が決まった宮交のスポンサーは、宮崎銀行や雲海酒造など地元中心の17社の連合に決定した。 6月には全日空出身の塩見修社長以下、新体制が発足した。 宮交は単なるバス会社ではなく、南国・宮崎という観光イメージを考え出したプロデューサーである。 その創業者の岩切一族の退場は、一時代の終わりを象徴する出来事だった。 二つ目は、9月の`14|の来襲である。 戦後最大級の台風は県内で死者13人、床上浸水以上の被災6100世帯というツメ跡を残した。 今年後半の報道の柱は台風からの復旧であり、本紙は新年以降もその姿勢を続けるつもりである。 台風のあおりで、年末には第三セクター高千穂鉄道の廃止が決まった。 台風自体は避けられない本県の宿命だが、その中で際立っていたのはボランティアの活躍である。 社会の都市化と個人主義化に伴い、人間関係はどうしても疎遠になっていく。 それでも相互扶助の精神から、多くの人たちが被災地に駆けつけたという事実は、新たな形での人間関係づくりへの可能性を感じさせた。 三つ目、そして最大のターニングポイントになるのが、9月の総選挙である。 自民党の歴史的圧勝という結果は「ポツダム宣言受諾」以来の戦後政治の大転換、という指摘もある。 本県は3選挙区とも前回と同じ顔ぶれが当選したが、今後、内実はまったく変わってくるだろう。 当選者2人は自民を離党した。 業界や官庁の声を代弁する「族議員」の力が当面は弱まり、小泉首相が唱える「小さな政府」に向けての改革路線が敷かれる。 しかし行政の無駄を省く「小さな政府」は、福祉の削減など、弱者に不親切な側面も伴う。 来年以降、本紙はそこにも目を光らせたい。 今年の総括はそんなところです。 皆さま良い年をお迎え下さい。 宮崎支局長・大島透 12月26日朝刊 (毎日新聞) -