佐世保市付近に17日夜上陸した`13|は、県内各地に大きなつめ跡を残した。 長崎海洋気象台によると、17日の最大瞬間風速は雲仙岳で58・1メートル(午後4時15分)▽佐世保(午後5時26分)と長崎(午後5時33分)で43・5メートル▽平戸で36・9メートル(午後7時8分)を記録した。 【仲山みのり】 県災害防災警戒本部の18日朝までのまとめによると、この強風で転倒したり、飛んできた瓦やガラスに当たり、12人が重軽傷を負った。 県内では17日午後10時のピーク時で、自主避難が3601人に上った。 松浦市と江迎町では、一部地区の住民に避難勧告も出された。 五島市伊福貴町でがけが崩れ、住宅1棟が全壊したほか、県内各地で計21棟が半壊や一部損壊。 また、床上浸水3世帯▽床下浸水12世帯▽がけ崩れ23件▽道路損壊1カ所――などの被害が出た。 県内の広い地域で停電も相次ぎ、九州電力長崎支店によると17日午後7時のピーク時で、壱岐、対馬を除く県内全世帯の38・8%に当たる29万6800世帯が停電。 18日17時現在で、6万3400世帯まで復旧したものの、主要な道路では信号機が止まるなどしたため、警察官が路上に立ち、交通整理に追われた。 また、空の便では17日の欠航を受けて機体のやりくりができなかったため、18日は東京や大阪行きなどの4便が欠航。 jrも午前中、ダイヤが混乱した。 ◇高層マンション、水が出ず 長崎市桜木町の13階建てマンションは17日夕から停電が始まり、18日も続いた。 オートロックは解除され、入り口は開放されている。 エレベーターは止まったまま。 最上階の男性(37)は「階段で下りたり、上ったりするのはさすがにきつい」と話す。 モーターでくみ上げられないためか、水も朝から出なくなった。 「前の台風の教訓でペットボトルは買い置きしていたが、トイレやお風呂が心配だ」 近くの病院でも停電したまま。 「エレベーターが動かないので、2階から5階に入院患者の食事を運ぶのにも苦労する」と保安担当者は話していた。 【松田幸三】 ◇漁船が転覆 島原市霊南の島原漁協近くで、刺し網などの漁具を積んでいた漁船が強風と波で転覆した。 18日午前6時半から漁具を海中から引き上げ、僚船2隻がロープで漁船を引き上げ元に戻した。 さらに漁師仲間約20人がバケツで漁船にたまった海水をかきだし、作業は終了。 船を所有する塩崎洋子さん(52)は「こんなことは初めて。 みなさんに助けてもらって感謝しています」と話していた。 【山崎太郎】 ◇高波で道路陥没 長崎市田中町では、台風の高波により、道路が約120メートルも削り取られ、道路が陥没した。 住民によると、17日夕、打ち寄せる波が堤防を越し、周辺が水浸しに。 一夜明けた18日、住民らは泥だらけになった部屋の後片付けに追われた。 煮干し卸売をしている満畑商店では、倉庫にあった煮干約1トンや、事務所のパソコン、テレビなどが水につかった。 社長の満畑文次郎さん(55)は「このような状態になるのは4回目。 水はけが悪く、堤防に構造的な問題があるのではないか。 これでは安心して住めない」と疲れ顔。 堤防沿いに住む、平野賢一さん(72)は「風が強く吹いて家が揺れ、怖かった。 あっという間に水が押し寄せ、2階に避難していた」と話した。 【小山内恵美子】 ◇収穫直前に落下 県内各地の果樹園では、収穫を控えたブドウやナシが落下。 時津町のブドウ農家の女性(79)は「今年は色づきが悪かったから少し収穫を遅らせた。 あと1週間くらいで収穫だったのに……」と肩を落とした。 【徳野仁子】 9月19日朝刊 (毎日新聞) -