◇死者3人、負傷者140人 損壊建物1000棟 延岡市をほぼ南北に約7・5キロ縦断し、猛威を振るった竜巻から24日で1週間。 死者3人、負傷者約140人、損壊建物約1000棟をもたらした自然の脅威の前に、住民たちはなすすべもなかった。 被災後の写真と、被災者の証言から「魔の数分間」を振り返った。 【関谷俊介、佐藤恵二】 1 家内に突風−−緑ケ丘5の海岸近くに住む甲斐正志さん(74) 「家でテレビを見ていた。 ウオーとうなり声のような音がした瞬間、家を突風が突き抜けていった。 窓ガラスや屋根が壊れ、家具が倒れて通帳も財布も飛んでいった。 以前も台風で突風が吹くことがあったが、こんな激しいのは初めてだった」 2 突然の地響き−−特急列車が横転した別府町の現場から約50メートル東に住む小田努さん(67) 「昼飯を食べようとしたら、地響きのような音がして、外をのぞくと、隣の家の屋根瓦を竜巻が巻き上げていた。 すぐに孫をテーブルの下に潜り込ませたが、家全体が浮き上がった。 築18年のわが家は瓦が所々はげ落ち、コンクリートの外壁も折れてしまった」 3 真っ黒な塊が…−−栄町商店街で輸入下着店を営む男性(45) 「台風の接近に備えて、シャッターを降ろしている時だった。 約300メートル先、店と店の間に真っ黒な塊が見えた。 急いでショーウインドーとシャッターの間に入り込んだが、自分の体も持ち上がりそうになった。 10秒くらいの出来事。 再びシャッターをくぐると、辺りの光景が一変していた」 4 家が飛んだ−−竜巻が消滅した尾崎町に住む男性(23) 「台風が近づいていたので、午後1時半ごろ自分の部屋がある離れから道路を挟んだ母屋に行った。 しばらくして『ゴー』というすごい音がしたので、窓越しに南側を見ると、離れが道路に押し出されるようにして吹き飛んだ。 思わず『家が飛んだ』と叫んでしまった」 9月24日朝刊 (毎日新聞) -