◇流域で洪水や渇水被害が相次ぎ、機能向上へ事業着手 那賀川の長安口ダム(那賀町長安)が4月から、国の直轄管理となった。 これまで管理業務を担当してきた県の関係者と国交省の担当者が12日、同ダムの管理所の看板を掛け替えた。 那賀川流域では洪水や渇水の被害が相次いだことから、施設改造の必要性が指摘されており、国は約10年かけてダムの機能向上に向けたさまざまな事業に着手する。 【加藤明子】 国交省は昨年8月、07年度予算案の新規事業に「長安口ダム改造事業」を盛り込むよう財務省に要求。 今国会で衆参両院が可決したことから、国の直轄管理に移行することに決まった。 国は同事業の今後10年間の総事業費を約400億円と見込んでいる。 今年度予算には事前調査と管理費として約4億円が盛り込まれた。 計画では、洪水被害を軽減するため、放水施設(オリフィスゲート)を増設したり、貯水池の底にたまった土砂を撤去する。 また、渇水対策では、利用できる容量を見直し、濁りがあるため、これまで使われていなかった貯水池の底の方の水を農業用水、工業用水として利用するほか、選択取水設備を設置し、濁りの少ない水域を選んで放流できるようにする。 同ダムは堤高85・5メートルで、総貯水量約5427万立方メートル。 県が1956年、利水と治水を目的に建設。 那賀川水系には県や四国電力が管理するダムが五つあるが、洪水を抑えるため、貯水量を調節する治水機能を持つのは同ダムのみ。 県は建設当時、100年間で540万立方メートルの土砂がたまると予測。 だが、実際は50年間で予想の2・8倍の土砂が堆積。 04年には、`10|による山腹崩壊などで年間200万立方メートルの土砂が一気に流入したため、洪水調節機能の低下が指摘されていた。 また、05年は10年ぶりに貯水量がゼロとなる渇水被害もあった。 改造にはかなりの費用と高度な技術が要求されるため、県や阿南市、那賀町や利水事業者が国への移管を要望してきた。 4月13日朝刊