新潟市西区鳥原、無職のアマチュア写真家、伊藤正さん(73)が昔懐かしい田園風景や子供の遊び、災害の被害状況などの写真を月替わりで展示する写真展=写真、日報連会員・池田友好さん撮影=を同区大野町の新潟信用金庫大野支店ロビーで開いている。 年末まで開催予定で、来月は16日が発生43年に当たる「新潟地震」を特集するという。 伊藤さんは、同市内の大手印刷会社を定年退職後、技術顧問として後進の指導に当たっていたが、今春に退職。 1959年ごろ趣味で写真を撮り始め、現在、保有している写真を整理しているという。 たまたま訪れた同支店の営業担当者に話したのがきっかけで写真展が実現した。 今月は、61年ごろに撮った田植えなどの田園風景が中心。 掘割に浮かぶ田舟や山笠(やまがさ)に手ぬぐいのほおかむりで手植えをする農家の主婦など10枚ほどが展示されている。 来月は、64年6月16日に発生した新潟地震(マグニチュード7・5)がテーマ。 当時は「職場も被害を受けて仕事にならないので市内の惨状を撮りまくった」という。 ▽水道管破裂で水浸しになった道路を避難する市民▽大きな亀裂が走るアスファルト▽破壊された陸上競技場▽軟弱地盤で傾いた県営アパート▽津波で岸壁に打ち上げられた漁船などのほか、信濃川上流の木橋が崩れかかり、その後方の石油のタンクから出火して黒煙が上る風景など貴重な記録資料を展示する。 その後、▽堀で水遊びやセミ採りをする子供たち(7、8月)▽`196118|の被害状況(9月)▽刈り取った稲を運ぶ牛馬車リアカーやはざ木並木のそばを流れる掘割に浮かべた田舟を引く農民(10、11月)、「三八(さんぱち)豪雪」(12月)を予定している。 伊藤さんは「友人に蛇腹式のカメラを借りて故郷の農村風景を撮ったのが初めて。 当時は娯楽が少なく子供たちの遊びはもっぱら自然とのふれ合いだった。 稲刈り、脱穀などの農作業が機械化され、懐かしい風景はもう見ることができない。 写真は何10年後かに貴重な宝となり、楽しい思い出となる」と話している。 5月17日朝刊