□華やか祝賀、はや「不便」の声も 関西国際空港の新滑走路がオープンした2日、到着一番機を皮切りに相次いで記念行事が開催され、空港島は祝賀ムード一色に包まれた。 一時根強かった「工事凍結論」を乗り越えての第2の開港。 だが、滑走路と1本の誘導路しかない2期島は、着陸してから駐機場まで最大10分以上かかり、利便性に課題も残した。 初めて降り立った乗客からは早くも「不便」の声が漏れた。 ■3冠達成 「言葉に表せない感動と喜びをかみしめている。 まぶたを閉じるとたくさんの飛行機が離着陸する姿が浮かんでくる」 午前6時、2期島の運用は、関空会社の村山敦社長の「オープン宣言」で幕を開けた。 `5|の接近で一番機の遅れも懸念されたが、大きなトラブルや混乱はなく、無難な滑り出しとなった。 「青い海がよく見えて、まさに島に降りる感じだった」。 バンコクから到着した一番機で、最初にゲートをくぐった大阪府泉南市の会社員、河村直樹さん(27)は、一番乗りを果たすため「0泊2日」の強行日程を組み、一番機の先頭座席に陣取った。 「中部国際、神戸の開港時とで(一番乗りの)3冠を達成しました」と満足そうな表情を浮かべた。 新滑走路からの「出発一番機」となる中国・杭州行きの全日空機の搭乗前には旅客ターミナルで出発式があったほか、9月から関空に新規参入する北九州市の新興エアライン「スターフライヤー」の体験搭乗会が催されるなど、華やかな雰囲気に包まれた。 ■遠い1期島 祝賀ムードとは対照的に、乗客の一部からは不満の声も上がった。 「ゲートに着くのが遅い。 ただでさえ長旅で疲れているのに。 今日は歓迎イベントで退屈しなかったが実際に仕事や旅行で使うには不便でいらいらしてしまうかも」と話すのは、タイの観光旅行から帰国した大阪府貝塚市のパソコン教室経営、難波ゆき子さん(57)。 航空機ファンの仲間と到着一番機を予約した大阪府吹田市の会社員、奥井力也さん(33)も、「着陸からゲート到着まで12分間もノロノロと地上走行が続いた。 便数が増えれば誘導路が込み合い、さらに時間がかかるのでは」と懸念する。 第2滑走路は、先端から最も遠い北ウイングの駐機場まで、南側誘導路(1242メートル)を挟んで実に約6・6キロの道のり。 ジェット機の地上走行は燃料消費も大きく、航空会社にも痛手だ。 北側誘導路は建設のめどが立たず、当面は解決策がない。 「できれば1本目に着陸したい」と航空関係者の本音も漏れるが、関空会社は「滑走路2本体制で、混雑時の出発待ちは解消される」とメリットを強調する。 ■楽しめる空港 関空では、新滑走路のオープンに合わせ、旅客ターミナルでも準備を進めてきた。 飲食店やブランドショップなどからの収入が売り上げの半分以上を占める関空会社は、“関空ファン を増やそうと意気込んでいる。 旅客ターミナル2階には今年3月、シャワー付きのネットカフェがオープン。 滑走路に先駆けて24時間営業を始めている。 42インチの大画面で映画を楽しめる部屋もあり、家族で足を伸ばしてくつろげると好評だ。 夏休みに入り、連日200人以上が利用。 隣接するネールサロンやマッサージ店もにぎわう。 大阪市の会社員、国分章治さん(56)は「出発前にパソコンで旅先や仕事の情報を調べられるので便利」と話す。 「京都ブーム」にあやかろうと、昨年7月にオープンした京町家風のフードコート「町家小路」は、大阪名物のたこ焼き店や地元の新鮮な魚を使ったすし店など12店舗が営業、6月末までに約120万人が足を運んだ。 関空会社は「飛行機に乗らなくても楽しめる空港にしていきたい」と話している。