安倍首相が辞任を発表するより早く立ち上がった男がいる。 元過激派で働いたこともなく「税金など納めん!」と言い放つ父親が主人公の映画『サウスバウンド』の完成記者会見が昨日9月11日行われ、豊川悦司、天海祐希、森田芳光監督らが登壇した。 豊川は、「みなさん国民年金を払っていますか?」と映画の内容に引っ掛けた挨拶。 本作を「今あるいろいろなしきたりや社会の構造にストレートに思いをぶつけていく家族の物語」だと語る。 ⇒ 豊川が演じるのは、不器用だけど真っ直ぐで人間味あふれる吉原家家長の一郎。 「みなさん国民年金を払っていますか?」と笑いを誘ったが、自身はきっちり支払っていると強調。 というのも演じた一郎は未払いに対して「国民の義務」と役人に督促されると「だったら国民やめちゃおー」と、さらりと言い返す破天荒な父なのだ。 「(物語の)吉原家は理想的とは言いがたい。 でも人間の共同体として見れば互いを尊重し、ストレートに語り合えるのは理想的だと思う。 ベースは人vs.人であり、個々に独立心があるから」と語る。 世の中の疑問には声をあげ、さらに納得するまで闘うという骨太な父親がスクリーン上で立ち上がる。 森田監督は脚本も手がけており、「この親は子に媚びない、そこがいい」と言う。 豊川をキャスティングしたのは、「人間として俳優として芯がある。 そして怒ったら怖そう」だから。 近年は特に幅広い役柄を演じていることに関して、豊川は「本作も含めて自分とは遠いキャラを演じるという挑戦にやりがいを感じているし、そういう役柄を引き受けるようにしている。 現場で戦々恐々とするが、仕事も楽しくなってきた」と充足感を漂わせた。 猛暑の沖縄での撮影を経て真っ黒に日焼けした豊川と、色白をキープし続けた天海は自らを「オセロな夫婦」と名乗るほど違いがくっきり。 理想の家族像や再会時にハグをしたことなどを夫婦漫才のごとく陽気に語った。 天海は夫を信頼する姿は「自身の母親を彷彿させる」し、理想の家族は「自分が育った環境」と答える。 沖縄のロケでは`4|の上陸でホテルに缶づめ状態になり、役者同士語り合ったお陰でクライマックスに向けて家族の結束が高まったという。 物語では年金を支払わないという父親だから、もちろん政治家としては問題外なのだが、変な世の中にきっちりモノ申す父がいれば家族も日本も安心かもしれない。 世の中の疑問には声をあげ、さらに納得するまで闘うという豊川演じる一郎みたいな人間こそが、国民が政治家に望むことかもしれない。 『サウスバウンド』 10月6日(土)より全国ロードショー ⇒ ⇒