甲府市塩部の県営住宅団地で10月下旬、1人暮らしの蘆沢マサ子さん(81)が絞殺された強盗殺人事件は28日、事件発覚から1カ月を迎えた。 甲府署捜査本部は延べ3996人の捜査員を投入。 犯人逮捕につながる物証は見つかっていないが、現場近くでは事件直前に数件の空き巣が相次いでおり、事件との関連を調べている。 廣瀬文三勝・甲府署長は「被害者が1人暮らしだったため、生活パターンをつかむのが難しく、何を盗まれたのかもはっきりしない」としたが、解決に向け今後も110人態勢で全力を注ぐとした。 【小林悠太、〓美河】 ◇高齢者、閉じこもり気味に 事件は10月28日午後7時45分ごろ、「塩部第二団地」1号棟2階の自室で倒れている蘆沢さんを、同じ棟の住人が窓越しに発見。 ひもで首を絞められたことによる窒息死で、遺体には死後に刺されたとみられる小振りな刃物による傷が、首の後部や腹部などに数カ所あった。 部屋のドアや窓はすべて施錠され、部屋の鍵や凶器の刃物は発見されていない。 死亡推定時刻は26日午後~28日夕方。 蘆沢さんの室内には近所の野菜直売店で販売されていたナスが残っており、同店が土日の午前中しか営業していないことから、蘆沢さんが10月27日午前に同店を訪れた可能性があるとみて調べたが、特定できていない。 捜査本部は、蘆沢さんの事件直前の足取りや犯行時刻の特定を急いでいるが、▽部屋の室内灯と玄関灯が点灯▽27日新聞朝刊は室内、28日朝刊は郵便受けで発見――されたことなどから、`20|が最接近した27日夕方以降に殺された可能性が高いとみて調べている。 捜査本部は、5日までに指紋約200点、足跡など約140点を採取。 犯人に直接つながる物証は見つかっていないが、▽室内に土足の跡が残っていない▽室内が物色され現金も未発見▽玄関のドアをこじ開けた跡がない――ことなどから、蘆沢さんの顔見知りによる物取り目的の犯行との見方を強めている。 県住宅供給公社によると、蘆沢さんが住んでいた団地棟は、3分の1以上が高齢者の1人暮らし世帯。 住民の不安は現在も解消されておらず、「一日も早く犯人が捕まってほしい」と声をそろえる。 同じ棟の女性(73)は「みんな不安で閉じこもるようになり、事件以降は廊下での立ち話や井戸端会議が減った。 住民はみんな心に傷を受けている」と不安の表情。 1人暮らしの女性(76)も「少しは落ち着いてきたけど、夜に眠る時、鍵を閉めたか不安になり、起きてドアの確認に行っている」とうつむいた。 捜査本部は10月31日、事件の情報を求めて24時間態勢のフリーダイヤルを設置。 不審者の目撃など、これまでに25件の情報が寄せられた。 26~28日に現場付近で目撃した不審な人物や物音、蘆沢さんの事件直前の足取りに関する情報を引き続き求めている。 県警情報フリーダイヤル(電話0120・00・6686)。 11月29日朝刊