■「那智勝浦新宮道路」開通4カ月 県お粗末、電光表示に5300万円 今年3月に開通した和歌山県南部の新宮市と那智勝浦町を結ぶ国道42号バイパス「那智勝浦新宮道路」(8・9キロ)で、最高速度表示に固定式の標識を設置したために、大雨や霧などの悪天候時に標識による速度規制ができない状態になっていることが11日、わかった。 県が最高速度70キロにこだわったためで、同様の最高速度を設定した多くの道路は電光表示などで速度を変えられる標識を設置している。 現地は国内有数の豪雨地帯で危険性を指摘する声があり、県は来年までに5300万円をかけて速度可変式標識を設置する。 同バイパスは国と県が事業費約600億円を負担し、対面2車線で3月30日に開通した。 関係者によると、県警と県公安委員会は当初、最高速度を一般道の法定速度と同じ60キロに設定する方針だったが、バイパスの効果を最大限アピールしたい県の強い意向を受けて、開通直前の3月初旬に70キロとすることが決まった。 警察庁の内部方針では、自動車専用道路で最高速度を70キロ以上に設定する場合は原則として、悪天候などの際に50キロ程度の臨時速度規制を行うため可変式標識を設置しなければならないとしている。 しかし、今回は開通直前に決定したため可変式標識の設置が間に合わず、県警は最高速度70キロを示す固定標識を11カ所に設置。 臨時速度規制ができないため、悪天候などの際はパトカーを投入して通行車両の速度を抑制するという異例の対応をしている。 県警交通規制課は「紀南地方は国内有数の雨が多い地域で、霧も発生しやすく、台風もたびたび通過する」とし、臨時速度規制の必要性を認めている。 県は改めて発光ダイオードを使った可変式標識を10カ所に設置する予定。 現状で違法性はないものの、安全性よりも最高速度にこだわるような県の姿勢を批判する声に対し、県幹部は「県民の利便性を考慮しての暫定措置で、警察庁も認めている。 特に問題はない」としている。 このバイパスは、県が掲げている「紀伊半島1周高速道路」の一部として将来使用することを想定している。 県が「70キロ」にこだわった理由について、地元の一部からは「地道を走っても利便性がそれほど変わらないことを隠したかったのではないか」と揶揄(やゆ)する声もあり、現地を視察した民主党の国会議員からは「立派すぎる」などの批判も出ていた。 【関連記事】 ・ ・ ・ ・ ・