◆シンボル受難 ◇台風、塩害など複数要因−−市教委、指定解除へ 防府市国分寺町の周防国分寺内にある樹齢500年以上とみられる市指定天然記念物、クロガネモチ(高さ約10・5メートル、幹回り約2・5メートル)が枯死し、市教委は今月末にも指定を解除する方針を固めた。 13日にも伐採する。 同寺の福山秀道住職(50)は「幼少のころから慣れ親しんでいた寺のシンボルがなくなるのは寂しい」と話している。 【脇山隆俊】 クロガネモチは関東以西の本州、四国、九州などで育つ常緑高木で、主に街路樹に利用される。 5~6月に淡紫色の花を咲かせ、秋には約6ミリ大の赤い実を付ける。 同寺のクロガネモチは高さ約1・5メートルから2本の枝が水平に張り出すなどユニークな形状。 市教委によると、枝は人為的に曲げられており、国史跡の境内にふさわしい風格を漂わせ、01年、市天然記念物に指定された。 正確な樹齢は不明だが、福山住職ら関係者の話から500~600年とみられるという。 市文化財課によると、枯死の原因として有力なのが県内を直撃した06年9月の`13|説。 青々と生い茂っていた葉は一気に失われ、海の塩害による影響も大きいという。 参拝者らに周辺を踏み固められたことによる養分欠如の可能性もあるという。 市天然記念物の指定解除は79年の宇佐八幡宮のクロマツ以来、2件目。 これにより同記念物は7件となる。 県指定(07年3月末現在、51件)の解除は過去に7件あり、最近では01年に光市三井のモクセイが台風で倒れ指定解除されている。 福山住職は「近くの仏堂に日陰を作り、中の仏像をずっと見守ってきてくれた。 昨秋ごろから葉が付かず、いろいろ手は打ったが及ばなかった。 非常に残念」と肩を落とした。 伐採後、思い出にしようと一部を寺で保管したり、食器などに加工するという。 〔山口版〕 9月12日朝刊