◇十数メートル高台に 04年10月の`23|で浸水し、営業を休んでいた武田尾温泉の旅館「紅葉館(こうようかん)」(宝塚市玉瀬)が「紅葉館 別庭(べってい) あざれ」として12月12日に営業を再開する。 「二度と水につからないように」と十数メートル高い場所に移り、新築工事を進めている。 河川改修工事のため被災から4年たっての再開となるが、なじみの客らから予約が入り始めており、松本孝一社長は「長かったが新たな気分でお客さんを迎え入れたい」と話している。 【山田奈緒】 ◇模索続く地区全体の治水 宝塚、西宮市にまたがる武田尾温泉は、武庫川渓谷の美しい景色に包まれ、「関西の奥座敷」として知られる。 04年10月20日、武田尾地区は台風で増水した武庫川の濁流に飲み込まれ、4軒の旅館のうち紅葉館を含む2軒が浸水し、下流の住居区域も約20戸が浸水した。 4階建ての紅葉館は1階天井近くまで水につかり、土砂は多いところで約20センチ積もり流木も残った。 そばにある武田尾橋も壊れ、すぐに再開できる状態ではなかったという。 創業110年以上の紅葉館は、04年の台風被害の前にも豪雨で武庫川がはんらんした際に浸水したことがある。 `23|の被害を受け、県は河川改修工事を進め、復旧作業などに必要な管理道の整備を昨年9月に終えた。 紅葉館は解体し、管理道より高台のところで新築工事を始めた。 しかし、武田尾地区全体の治水対策はまだ終わっていない。 県は住居区域の住民に、土地をかさ上げする盛り土案や堤防建設案を提示してきたが、住宅移転の是非などで話がまとまらず、結論が出ないままだ。 「川のそばは危険と分かっているが、慣れた地で暮らし続けたい」といったさまざまな意見があり、治水をめぐる模索が続いている。 紅葉館再開の問い合わせは同館(0797・91・0131)。 〔阪神版〕 10月12日朝刊