先月9日夜、兵庫県西部の佐用町を中心に`9|の影響による集中豪雨が襲った。 夜半の大雨に同町では死者・行方不明者は20人を数えた上、全半壊や浸水した住宅の復旧作業は困難を極めている。 現地での取材を通じて、豪雨にも地震並みの防災対策をとる必要性を感じた。 各地で相次ぐ豪雨被害は和歌山でも人ごとではない。 【安藤龍朗】 ◇まずは自分の地域に関心を 大小46の河川が流れる和歌山市は、今回の災害後の同24日、集中豪雨対策検討会を開催した。 危機管理部、消防局など関係部署に県警も交えて認識の共有を図った。 検討会では避難、救援活動について8項目を確認。 避難所に逃げる途中で犠牲になったケースが佐用町では目立ったことから、避難路が危険な場合は自宅か近隣の2階に一時避難するとの項目も盛り込んだ。 自宅から避難所までの安全が確保されているかを意識して動く−−。 豪雨による人的被害を避けるために欠かせないポイントの一つだ。 救助経験が豊かな津田敏次・元和歌山市総合防災課長は00年9月、大雨で増水した川に転落した乗用車を救助した際の体験を思い出す。 「救助中に振り返ると車が続けて2台も川に飛び込んできた。 川と道路が区別できない状態だった」。 路面が見えないことが危険を招く。 ふたの外れたマンホール、縁石や段差などの障害もあれば、高齢者の場合は冠水した水位がくるぶし程度でも泥に足をとられる危険性が高い。 佐用町内でも、久崎地区は東西を川に囲まれて住宅被害は多数あったが、人的被害がなかった。 「04年の台風の経験があったから」と話す住民の声を多く聞いた。 大雨を伝える気象情報で前もって自家用車を高台に移動させた住民や、雨が本降りになる前に自主避難した高齢者もいた。 5年前の水害の経験が減災につながったといえる。 大雨で自宅付近がどんな被害に遭うか。 事前の情報収集が、被害を食い止める確かな方法だと痛感した。 和歌山市では「紀の川洪水ハザードマップ」を作製して各世帯に配布。 また、県は市内の和田川、亀の川を水防法に基づく浸水想定区域に指定。 洪水時をシミュレーションした地図を県河川課ホームページなどで公表している。 津田さんは「自分の感覚を働かせて、危険を感じたら引き揚げる勇気が必要だ」と話す。 人的被害をなくすために、まずは自分が住む地域に関心を高めることから始めたい。 9月13日朝刊 【関連ニュース】