民主党を中心とする鳩山連立政権が発足した16日、県内選出の民主党議員は、新人もベテランも新しい国作りに意欲をみなぎらせた。 野党となった自民党議員は、政権奪還に向けて闘志を燃やす。 また、県内の有権者や首長らからは、新政権への期待や注文の声が相次いだ。 ◇新議員初登院、意欲満々 衆院選で初当選した民主党の新人議員は、初めて国会議事堂の門をくぐった。 1区の井戸正枝議員は、トレードマークのピンクのスーツに身を包み初登院。 「限られた任期で政策を実現するプロフェッショナルとして仕事しなければならない」と気持ちを新たにしていた。 2区の向山好一議員は「歴史が動いた日に立ち会えて光栄。 責任の重さも感じる」と身の引き締まる思いを吐露。 「ようやく代議士になったと実感した。 政治が変わったと思える議会活動をしたい」と抱負を語った。 特別国会では鳩山由紀夫首相が選出され、4区の高橋昭一議員は「歴史的な瞬間に立ち会えた。 一議員であると同時に政府の一員となる責任の重さを感じた」と感慨深げ。 入居したばかりの議員会館内の事務所にはコピー機や花束などが運び込まれ、新人議員は東京と神戸を往復する生活の準備にも追われた。 一方、当選7回のベテラン、3区の土肥隆一議員は、多くの新人を前に「どうしたものか」と思案顔。 山岡賢次・国対委員長に「委員会の出席率を確認した方がいい」などと助言した。 新内閣の顔ぶれは「(所属する)菅直人グループが少ない」と不満だが、「国民の期待に応える国家運営をいかにするかが大事だ」と話した。 また、8区で公明党の冬柴鉄三氏を破って初当選した新党日本代表の田中康夫議員は、午前10時に初登院。 「人から仕えられる人ではなく、人々のために仕える人になる。 尼崎市のため、日本のために、今後も努力していく」とコメントした。 一方、政権を失った自民党の県内選出議員は2人だけ。 5区で敗れ、比例代表近畿ブロックで復活当選した谷公一議員は「首班指名で残念ながら自民党は野党になってしまった。 総裁選をしっかりやって、国民の期待に応えるような政党に立て直し、政権奪回を目指す」と話した。 ◇街の声 ■被災地 `9|の豪雨で佐用町の自宅が床上浸水し教員住宅に仮住まいしている主婦、谷口妃佐子さん(46)は「自民党の政治よりは期待できるが、財源が乏しい中、被災地の復興にどの程度支援してくれるのかは未知数。 商店街では廃業する店も多く、地域の復興、発展のためまずは経済を上向きにしてほしい」と注文をつけた。 ■農業 朝来市和田山町で約35アールで稲作を営む農業、須磨和義さん(62)は「米価が安くなる一方で肥料は値上がりして経営が苦しい。 農業者戸別所得補償は賛成だが、長男は農業だけではやっていけず、会社勤めをしながら休日に手伝っている。 農業は国民の食をまかなう大切な仕事。 若者が誇りを持って農業に就けるように」と話した。 ■商業・景気 尼崎市南塚口町2の印章店「尼崎製印所」で店主の夫を手伝う伊藤和子さん(54)は「不景気で、まとまった名刺や判子の注文が取れない。 その割に尼崎には商業施設が乱立して客を食い合っている。 緩和一方でなく、必要な規制もあるはずだ」と話していた。 ■高速道無料化 明石海峡大橋など高速道路の通行料割引で痛手を被る明石淡路フェリー(明石市)の大麻一秀社長(56)は「高速道路の無料化はやめてほしい。 公約通りに無料化が実施されると瀬戸内海の航路はやっていけない。 バランスのある公共交通施策、航路が存続できる支援策を示してほしい」と、切実に要望した。 ■教育・子育て 親と離れて暮らす子どもたちを養育する神戸市の乳児院院長、川村基子さん(63)は「子ども手当など経済支援ばかりが注目されるが、都市での子育ては孤立しがちで、育児の知識を持った人に気軽に相談できる場が必要。 発達障害などの児童に教員らが1対1でサポートする『通級』の定員も不足していている」と注文した。 ◆主な政党など談話 新政権発足を受けて、県内の主な政党や知事、市長、商議所会頭らが談話を発表した。 ◇辻泰弘・民主党県連代表 日本の将来と国民生活を中心的に担う責任の重大さを痛感している。 速やかにマニフェストに掲げた政策の具体化に取り組み、政権交代の成果が生活で実感できるよう全力を傾注する。 ◇五島壮・自民党県連幹事長 政治主導の政権運営が可能か注視していきたい。 バラバラな連立政権の限界が早晩露呈されるだろう。 我が党は国民の皆さんとの信を回復するべく、この試練の日々を乗り切りたい。 ◇野口裕・公明党県本部幹事長 国民の期待に応え、誤りなき国のかじ取りを見守る。 補正予算凍結は国民生活や自治体の混乱を招かないような配慮を要望する。 今後は公明党らしさを発揮し、新政権の政策に対応したい。 ◇松田隆彦・共産党県委員会書記長 我が党は「建設的野党」の立場をとると表明し、国民に広く支持していただいた。 当面、草の根運動と国会論戦を通じて、新政権と一致する国民要求を実現するために力を尽くす。 ◇今西正行・社民党県連合代表 自公政治でない国民目線の「生活再建」を最優先した政権のスタートと位置づけ、連立政権合意の理念・政策をもとに政策実現に向けて、我が党を挙げて奮闘する覚悟だ。 ◇水越浩士・神戸商工会議所会頭 何より国益の観点に立脚した政権運営を強く望みたい。 上向きつつある景気に水を差すことのないよう、財政出動の継続など、対策にまい進されたい。 ◇井戸敏三・知事 日本が活力を失わないため、地域主体の分権社会の確立が不可欠。 国と地方の協議の場を早急に立ち上げ、地方行財政の運営に配慮し、補正予算の見直しなど国と地方の信頼関係を損なわないよう願う。 ◇矢田立郎・神戸市長 指定都市に対して、国・道府県が担う事務以外のすべてを財源とともに移譲することを期待する。 地域主権の確立を最重要課題として、地方分権改革を推進されることを望む。 〔神戸版〕 9月17日朝刊 【関連ニュース】