任期満了に伴う知事選が8日、告示された。 立候補者はいずれも無所属で、届け出順に、新人で前国連食糧農業機関(fao)戦略企画部長の遠藤保雄氏(62)=民主、社民、国民新推薦=、現職の村井嘉浩氏(49)、新人で県民主医療機関連合会事務局長の天下(あました)みゆき氏(53)=共産推薦=の3人。 大型の`18|の影響で暴風雨が吹き荒れる中、17日間の舌戦の幕が上がった。 投開票日は25日。 今回知事選は、鳩山政権誕生後全国初の知事選となる。 企業優先の経済対策を進めたとされる自公政権から、家計重視を掲げる現政権に交代した国政の変化が、どう影響するかが注目される。 遠藤氏は、新連立政権の3党から推薦を受け、国政との連携を前面に押し出した主張を展開。 各党が衆院選で訴えた「生活」重視路線で、選挙期間中には菅直人副首相ら大物政治家の応援を得て挙党体制で臨む。 村井氏は、政党からの推薦は受けず「県民党」を標榜(ひょうぼう)。 政党対決色を強める遠藤氏陣営の攻勢をかわしたい考えだ。 企業誘致や観光戦略の推進など1期目の実績を強調して「民の力」結集呼び掛ける。 共産党の推薦を受ける天下氏は、知事選初の女性候補。 現県政を「大企業頼みの冷たい県政」と批判する一方、民主党に対しても「オール与党で県政を支えてきた」と明確に一線を画す姿勢を強調している。 【伊藤絵理子】 ……………………………………………………………………………………………………… ◆立候補者の第一声(届け出順) ◇生活第一、県政変えよう−−遠藤保雄(えんどう・やすお) 62 無新 遠藤氏は午前9時過ぎ、仙台市中心部のアーケード商店街で第一声。 暴風雨の中、イメージカラーの緑色のジャンパー姿で「国政は変わった。 生活第一で県政も変えよう」と呼びかけた。 遠藤氏は、国連食糧農業機関(fao)本部のあるローマから宮城に戻り、県内各地で県民の声に耳を傾けてきたことを強調。 「県政も変えてほしい」との声に応え、保育所の待機児童解消や雇用状況の改善、地産地消の促進などに取り組む考えを示した。 また、村井氏が掲げる「富県戦略」からの路線転換を訴え、「県民を豊かにする『富県民戦略』に取り組みます」と宣言。 退職金を辞退し、財政状況が改善するまで給料も半分にすることを約束した。 第一声には、8月の衆院選で当選した宮城選出の民主党衆院議員5人と、参院議員4人が全員集結。 国政とのパイプを印象付けた。 代表して応援演説した安住淳氏(宮城5区)は「1カ月前の圧勝の流れを知事選に持ち込み、宮城の政権交代を実現したい。 遠藤氏なら私たちと協力して県政を変えてくれる」と力説。 農林水産省時代の後輩で民主党衆院議員の篠原孝氏(長野1区)も駆け付け「刻苦勉励(こっくべんれい)の人」と太鼓判を押した。 【伊藤絵理子】(マニフェストはwww.endo−yasuo.jp) ◇福祉面にも力注ぎたい−−村井嘉浩(むらい・よしひろ) 49 無現(1) 村井氏は午前11時、岩手・宮城内陸地震の被災地、栗原市栗駒地区の仮設住宅(15世帯)前で第一声。 「知事として仕事をしてきて一番思い入れの深い所でやりたいと考えた」と述べると涙で声を詰まらせ、住民ら数十人から「頑張れ」と励まされた。 強まる雨風を受けながら、タオルで顔をぬぐい「富県戦略」への思いを力説。 人口減少と高齢化が急速に進む中、社会保障費の増大に対応するためには若年層の雇用創出が重要として、「税金だけで対応するのではなく、民間企業が雇用を生み出すシステムを作る。 (1期目で誘致した工場が)操業を始めると関連企業も来る。 地元企業にも仕事が回り、1万人以上の雇用が生まれる」と訴えた。 保育所の待機児童数をゼロにする目標や特別養護老人ホームの施設整備にも触れ、「経済の施策だけでなく福祉面にも力を注ぎたい」と強調。 「死に物狂いで頑張る」と結ぶと笑顔を取り戻し、選挙カーに乗り込んだ。 佐藤勇栗原市長は「(地震の復興は)これからが正念場。 村井さんとともに頑張りたい」。 「くりこま耕英震災復興の会」の斎藤英志氏(59)は「栗駒の復興にかかわってくれたことを今も感謝している」とそれぞれ支援を約束した。 【比嘉洋】(マニフェストはwww.murai2009.net) ◇破綻政治にストップを−−天下みゆき(あました・みゆき) 53 無新 天下氏は午前9時20分、jr仙台駅に近いデパート前で第一声。 大粒の雨を避け、地下鉄駅出入り口の階段通路やデパートのひさしに身を寄せた支持者ら約250人を前に「大企業支援の結果は何だったか。 それは貧困と格差の拡大だった。 破綻(はたん)した政治を県政でも続けるのか、それともストップをかけるのかが、今回の知事選で大きく求められている」と訴えた。 天下氏は、現在の県政が約10万世帯に及ぶ県内の国民健康保険滞納世帯から強制的に税金を取り立てる仕組みを作ったとして「困っている人を谷底に突き落とす冷たい県政」と強調。 さらに「村井県政は自動車産業に惜しげもなく税金を投入してきたが、医療、福祉、教育は全国最低水準」と指摘し、「県民の生きる力を失わせる県政を続けさせるわけにはいかない」と力を込めた。 応援に駆け付けた弁士らは天下氏を「医療と福祉の現場で30年間闘ってきたプロ中のプロ」と呼び、「医療と福祉を県政の根幹に」と繰り返し強調。 8月の衆院選で当選した共産党の高橋千鶴子衆院議員(比例代表東北ブロック)は「(知事には)困った人、弱い人たちに寄り添いながら解決してきた天下さんをおいて他にいない」と幅広い支持を訴えた。 【高橋宗男】(マニフェストはhttp://blog.canpan.info/akaruikai/) ……………………………………………………………………………………………………… 遠藤保雄(えんどう・やすお) 62 無新 [元]国連食糧農業機関戦略企画部長[歴]農水省経済局国際部長▽環境庁水質保全局長▽国連食糧農業機関日本事務所長▽東北大=[民][社][国] 村井嘉浩(むらい・よしひろ) 49 無現(1) 知事[歴]陸自東北方面航空隊▽松下政経塾塾生▽県議3期▽自民党県青年部長・幹事長▽防衛大 天下みゆき(あました・みゆき) 53 無新 県民主医療機関連合会事務局長[歴]宮城厚生協会坂総合病院事務長▽松島医療生活協同組合理事▽東北大=[共] ……………………………………………………………………………………………………… ◇名鑑の見方◇ ▽氏名▽年齢▽党派(無=無所属)▽現元新の別▽当選回数(カッコ内数字)▽肩書、[歴]以下は経歴と学歴▽=以下は推薦、支持。 [民]=民主、[共]=共産、[社]=社民、[国]=国民新 10月9日朝刊 【関連ニュース】