読売新聞 日本列島を縦断した`18|について、上陸地点を独自に発表した民間の気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)に対し、許可された業務の範囲を逸脱したとして、気象庁は再発防止を指導した。 「混乱を防ぐため、台風などの防災情報は気象庁発表に一元化すべきだ」。 同庁はそう主張するが、ウェザー社は19日、観測結果を公表しただけで防災を目的とする情報にはあたらない、などと反論する内容の上申書を同庁に提出、議論は平行線のままだ。 気象情報会社の業務は、どこまで認められるのか。 ◆上陸地点も時刻も相違◆ `18|を巡っては、気象庁が「8日午前5時頃、愛知県の知多半島付近に上陸した」と発表したのに対し、ウェザー社は「午前4時過ぎ、三重県志摩市に上陸した」とホームページに掲載。 台風の進路は、気圧や風向の変化といった気象データから解析するが、気象庁とは異なる上陸地点になった理由について、同社は、志摩市付近にいた携帯サイトの会員からの情報提供などを加味した結果と説明する。 「風がやんだようだ」など、志摩半島が台風の目に入ったと判断できる情報が複数寄せられたという。 これに対し、同庁は翌9日、「許認可の範囲を超えている」として同社を口頭で注意した。 ◆利用者のニーズは?◆ 気象情報会社は気象業務法に基づき、気象庁長官の許可を受けて予報業務を行っている。 同法は「許可又は認可には、条件を付し、及びこれを変更することができる」と定めており、気象庁は許可に際して「台風の進路等に関する情報は、気象庁の情報の解説にとどめる」との条件を掲げている。 「防災情報は公益性が高く、情報が複数あると混乱を招く」(同庁民間事業振興課)との考えによるもので、ウェザー社はこの条件に反したと同庁はみる。 同庁によれば、気象情報会社が制約を受けるのは、台風に関する全情報。 だが、同社は「台風の進路等に関する情報」に関し、「予想進路や予想最大風速など予報にかかわる事項を指すものだと理解している。 こちらが示したのは予報ではない」と反論した上で、「利用者は迅速な情報を求めている。 我々はそれに応えたい」と強調する。 ◆胸襟開いて話し合っては◆ 2007年7月の新潟県中越沖地震でも、同社は被災者向けにがけ崩れの危険情報をメールで配信。 これが許可外の業務だったとして、翌月に同庁から業務改善命令を受けている。 1994年の改正気象業務法施行で、民間の気象予報業務が認められて15年。 最大手のウェザー社の携帯サイトの有料会員は現在、160万人に上るという。 解説にとどめるべき情報の範囲について、気象庁が「台風の進路等」とあいまいな表現にとどめ、明確に定義してこなかったのは確かだ。 民間からサービスを受ける人が当初の予想を超えて広がった今、その守備範囲を、官民が胸襟を開いて話し合ってみてはどうだろうか。 (堀江優美子)