豊岡市内で7人が亡くなった04年の`23|の惨禍から5年を迎えた20日、追悼の集いや被災体験を語る学習会などが各地であった。 当時の被災状況を伝える写真展もあり、市職員は防災服で勤務するなど、防災への思いを新たにした。 【皆木成実、藤田宰司】 ◇治水祈念の碑、追悼の集い 同市日高町浅倉の赤崎橋のたもとにある治水祈念の碑で午前10時から、被災者追悼の集い(日高町地区円山川上流直轄河川改修促進期成同盟会主催)があり、犠牲になった2人の遺族や住民ら約70人が黙とうし、花を手向けた。 妻美加さん(当時46歳)を亡くした同市日高町野、朝来署警察官、周藤和正さん(53)は「今でも悔しい。 今年の`9|でも佐用町や勤務地の朝来市で大きな被害が出て、やりきれない思いだ。 一刻も早く治水事業を進めてほしい」と話した。 04年から始まった「円山川河川激甚災害対策特別緊急事業」は、予算ベースで77%(09年3月現在)を終えている。 集いであいさつした中貝宗治市長は「政権交代で公共事業は削られようとしていますが、この被害を忘れず、治水はしっかりと進めていきたい」と話した。 ◇普段の備え大切に 高橋小で防災体験教室 市立高橋小学校(同市但東町久畑)で防災体験教室があり、児童や住民約70人が降雨装置を使った体験や土石流実験の見学で災害に対する意識を高めた。 降雨体験は、児童がかっぱを着て一人ずつ装置の中に入り、毎時100ミリの豪雨を体感。 土石流実験は現場をリアルに再現したミニチュア装置に水を流し、治山ダムがない場合と、ある場合を比較した。 6年の西垣涼香さん(12)は「激しい雨の体験はとても怖かった。 避難場所の確認など普段から備えておく大切さを感じた」と話していた。 県は降雨災害に強い森を造るため、里山防災林の整備を県内100カ所で順次進めており、同小のある久畑地区でも防災林整備が進められている。 ◇「励まし助け合って全員無事救出」 水没バスの上の一夜、平尾さんが体験語る−−清滝小でメモリアル集会 平尾頼子さん(69)=同市上陰=は、濁流に取り残された観光バスの上で一夜を明かした経験を、市立清滝小学校(同市日高町山宮)のメモリアル集会で児童に語った。 1泊2日の旅行の帰路、舞鶴市志高の由良川沿いの国道175号で立ち往生した。 豊岡市役所や公立豊岡病院のobら乗客36人と運転手1人は、水かさが増す中、車内のカーテンをちぎってロープを作り、屋根の上で流されないよう支え合い、翌朝全員が無事救出された。 平尾さんは、ロープを作る様子を再現したり、落ち込まないように歌を歌ったことなどを話し「皆が励まし合い助け合ったからこそ全員が助かった。 協力しあうことが大切だと改めて学びました」と語りかけると、児童は「落ち着いて行動できたのはすごい」と感想を話していた。 ◇治水対策などパネル展示−−きょうから 国交省豊岡河川国道事務所は21~26日、円山川の緊急治水対策の概要や効果を紹介するパネルを同市大手町の市民プラザに展示する。 `23|の出水状況やこれまで実施した対策工事などを27枚のパネルで説明。 観測史上3番目の出水となった今年8月の`9|で、円山川立野観測所の最高水位を81センチ下げるなどの効果があったことなどを紹介する。 またjr江原駅ステーションギャラリーでは、当時の被災状況を伝える写真約30点が29日まで展示される。 〔但馬版〕 10月21日朝刊 【関連ニュース】