◇町の対応に不信感も 佐用町が6日に行った`9|犠牲者の慰霊祭。 18人が亡くなった水害から間もなく4カ月となるが、今も行方不明者2人の捜索は続けられ、仮設住宅で年を越す住民もいる。 慰霊祭では町が防災のまちづくりを誓い犠牲者の冥福を祈ったが、一部住民が参加を見合わせるなど遺族らの思いはさまざまだった。 【山川淳平、小泉邦夫】 さよう文化情報センターで、出席者約400人が黙とうした。 静まりかえった会場ではすすり泣く声が聞こえた。 出席者は1人ずつ「犠牲者之塔」が立つ祭壇に語りかけるように献花をしていた。 兄家族4人を亡くした井上英二さん(36)は家族10人で参加。 「今回の経験が避難勧告や避難経路などを見直す機会になってほしい」と話した。 母を亡くした中野恵介さん(54)は「18人に哀悼の意をこめて出席した。 今回のような水害が2度と起こらないよう、行政の取り組みを見守りたい」と涙を流した。 一方、一部の遺族は災害後の町の対応に不信感を募らせている。 水害で妹を亡くした村上光生さん(52)らは「水害の検証がなされておらず、行方不明のままの人もいる」と話し、慰霊祭には参加しなかった。 慰霊祭の後に記者会見した庵逧典章町長は、町の対応に不満がある一部遺族の中に「遺族の会」を結成する動きがあることについて、「ご遺族の思い、やるせない気持ちは私も聞いている。 話し合いを通じて理解してもらえるよう丁寧に対応したい」と話した。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇町長追悼の辞(要旨) 本日、佐用町慰霊祭を執り行わせて頂くにあたり2万町民を代表して御霊の安らかんことを衷心よりお祈り申し上げ、併せて行方不明となっておられるお2人が一日も早く見つかることを念願いたします。 記憶も真新しい8月9日の夜、滝のような猛烈な雨が佐用町を直撃しました。 1時間の雨量が89ミリ、24時間の雨量は326・5ミリとなり、観測史上最大を記録することとなりました。 町内の至る所で山が崩れ、河川がはんらんし、14名の町民の方、3名の養父市民の方、1名の尼崎市民の方の18名もの尊い命が失われ、2名の方の行方がわからなくなったままでございます。 町政の最高責任者として誠に申し訳なく返す返すも痛恨の極みでございます。 被災直後の未明から陸上自衛隊はじめ、県や各市町様の職員を派遣いただいての応援復旧や1万6000人に上るボランティアの皆さん。 また全国のあらゆる機関・団体そして多くの人々から救援物資や義援金を頂戴するなど、心から感謝いたしているところでございます。 あの日から4カ月が経過しようとしていますが、悲しみを胸に、いかなる困難があろうとも、復旧と復興に全身全霊をささげる覚悟をしているところでございます。 町民の皆様と一丸となってかけがえのない命を守る災害に強い町の建設と創造的復興を成し遂げることを、慰霊塔の御前にお誓いします。 佐用町長 庵逧典章 ……………………………………………………………………………………………………… ◇佐用町で亡くなった方々◇ 広岡武治さん(54) 石坪多恵子さん(86) 中野房子さん(81) 小林佐登美さん(40) 小林彩乃さん(16) 馬場慎太郎さん(40) 井上利則さん(40) 井上さなえさん(32) 井上唯人君(7) 井上優里ちゃん(4) 宇多耕作さん(72) 池田一馬さん(54) 井土さゆりさん(47) 井土未晴さん(15) 片岡達雄さん(49) 片岡佳代子さん(47) 片岡誠也さん(14) 平谷恭邦さん(48) ◇行方不明者◇ 小林文太君(10) 蜂須賀貴子さん(32) 〔播磨・姫路版〕 12月7日朝刊 【関連ニュース】