大型の`18|が接近中の10月8日午前6時50分ごろ、土浦署から「市内で竜巻らしき被害発生」という一報を受け、現場に飛んだ。 平穏な街の風景が、ある一角に入ったとたん、爆撃でも受けたような惨状に変わった。 最初に写真撮影したのは同7時48分。 発生から3時間近くがたっていたが、電線に飛来したトタンなどが引っかかり、風にあおられていた。 写真部記者時代、震災や水害の被害現場を多く見てきたが、こんなに上から大きな物が降ってきた現場を見たのは初めてだった。 復旧には時間がかかるだろうと予想した。 ところが、nttの係員や市役所職員、建設会社のクレーン車などが続々と到着。 「事前に竜巻が発生するのを予見していたのでは」と思えるほど手際良く対処しているのには驚かされた。 同日夕方には、ほぼ市民生活は回復した。 市によると、台風被害が全市に及ぶと予想し、前日から市職員約30人が夜を徹した警戒態勢が役立ったのだという。 結果的に被害は宍塚地区に限定されたため、延べ200人が「人海戦術」にあたった。 同地区では3年前に消滅した消防団を広域化し、今年復活させていたことも早期復旧の一助となった。 自宅半壊の被害に遭った同地区の雨貝和夫さん(62)は同5時ごろ、自宅の状況を点検しておこうと外に出たところ、突然、あたりが真っ白となり、地響きとともに猛烈な風が襲ってきた。 一軒先の建物から、壁という壁が、吹き飛ばされるのを茫然(ぼうぜん)と見ていた。 雨貝さんは土浦、つくば両市の消防署で40年間、勤め上げ2年前に退職。 雨貝さんが竜巻被害で出動した記憶はないという。 気象庁気象研究所(つくば市)の加藤輝之主任研究員は「もともと関東地方は竜巻が起こりやすい地形」と指摘する。 竜巻が多発する米国中西部と同じく、西側に山地があり、東側に平野が広がっている。 今回も、台風が関東の北側を通るコースをたどったため、強い南風が吹き、関東で三つもの竜巻が発生したのだという。 また、加藤さんによると、竜巻発生は「(広域に)発生の注意報は出せるが、いつどこで、どんな規模で発生するかという具体的な予報はまだ出せない」という。 ならばやはり、警戒態勢強化や早期復旧に努めるのが重要だ。 今回の経験を土台に総合的な危機管理のレベルを、さらに引き上げておく必要がありそうだ。 【橋口正】 12月15日朝刊 【関連ニュース】